(26日、秋季四国地区高校野球大会決勝 英明7―2阿南光) 秋の四国大会決勝で、香川県と徳島県のチームが顔を合わせるの…

 (26日、秋季四国地区高校野球大会決勝 英明7―2阿南光)

 秋の四国大会決勝で、香川県と徳島県のチームが顔を合わせるのは、2000年の尽誠学園―小松島以来、実に25年ぶりとなった。

 久々の一戦は、英明が香川県大会準優勝の悔しさもばねにして、3年ぶり3度目の優勝。秋の神宮大会への出場切符をつかんだ。

 決勝で光ったのは、ボール球に手を出さず、こらえてチャンスをつくる攻撃だった。

 12安打を放ち、8個の四死球を記録した。12失点で敗れた県大会決勝を含め、新チームの歩みのなかで学んできた。1安打に3四球を選んだ松原蒼真(2年)は、「チームで低めの変化球には徹底して、手を出さないという約束を守れた」。

 英明の香川純平監督も「先制してイケイケになりそうな時でも、我慢するボールは我慢できた。接戦になって焦らず、選ぶべきボールを選べた」と選手たちをたたえた。

 阿南光の高橋徳監督は「完敗でした。選球眼もそうだし、投手層の厚さも違う」と語った。

 近年の徳島勢は苦戦が続いてきた。

 秋の四国大会優勝は11年の鳴門が最後。決勝進出もこの10年で今回を含めて3回にとどまる。

 徳島県は県内に野球部のある私立高校が一つしかない。私立が春夏を通じて甲子園に出たことがない唯一の自治体だ。県内を勝ち上がっても、全国大会や四国大会になると県外私学に苦戦してきた。

 「徳島県内でそれぞれの学校が強化の取り組みをしてきたが、なかなか四国(大会)の決勝に縁がなかった」と高橋監督。

 強化のために県外の私学と積極的に練習試合を組んだ。今年に入って2度、練習試合をしたのが英明だった。

 「英明さんはうちがなかなか県内で勝てない時から試合をさせてもらって感謝しかない。四国の最高の舞台で対戦できたのは本当に感慨深かった」

 四国代表として全国へ挑む英明の香川監督は「もっと強い打球を打たないといけないし、走塁、守備、すべての面でまだまだ強化していきたい」と話した。(土井良典)