ラグビーの「リポビタンDチャレンジカップ」が25日、東京・国立競技場であり、日本代表(世界ランキング13位)がオースト…

 ラグビーの「リポビタンDチャレンジカップ」が25日、東京・国立競技場であり、日本代表(世界ランキング13位)がオーストラリア代表(同7位)に15―19で敗れた。通算成績は日本の7戦7敗となった。

 前半、日本はFW戦で劣勢を強いられ2本のトライを許すなどして、3―14で折り返した。後半にFW竹内とFWガンターの2トライなどで追い上げたが、及ばなかった。

 日本代表は次戦、11月1日(日本時間2日)にイギリスでワールドカップ王者の南アフリカ代表(同1位)と戦う。

■敗戦でも前向きな幕開け

 試合終了間際の約2分間、オーストラリアはグラウンド中央で時間稼ぎに終始した。密集から近場のFWにパスを出し続けて、球を失うリスクを極力避けた。W杯で2度優勝した国を、日本が追い詰めた証しだった。

 7回目の対戦で、4点差は最少。日本がそこまで粘れた背景には防御の改善がある。特に前半は自陣に押し込まれたが、江良颯やリーチ・マイケルらFW陣がタックルに入り続け、点差を11までにとどめた。主将のFWワーナー・ディアンズは「(前半で)2トライしか取られなかったことは自信になった」。

 昨季はこれができなかった。前半から失点を重ね、ニュージーランドやフランスといった強豪国に大敗を喫した。テンポの速い攻撃が日本の特徴だが、勢いに乗る前に勝敗は決してしまっていた。

 今季はコーチに南アフリカなどでの指導経験があるギャリー・ゴールド氏を招き、防御のてこ入れを図っている。リーチは「やることがシンプルになった」。一斉に前に出て、1人が抜かれても全員で戻る。その意識付けが浸透しつつある。

 一方、攻撃では落球から流れを失う場面が目立った。簡単なミスがなければ、より優位な試合展開に持ち込めただろう。リーチは「勝たなきゃいけない試合だった」とも口にした。

 このあと、日本は欧州で南アフリカなどの強豪と4試合を戦う。敗れはしたが、前向きな5連戦の幕開けとなった。(藤野隆晃)

■両チームのヘッドコーチのコメント

 ジョーンズ・ヘッドコーチ(日) 「勝てるところまでもっていけたが、力不足だった。選手たちが失速しなかったことが喜ばしい」

 シュミット・ヘッドコーチ(オ) 「日本の防御が強くて押されるときもあった。(雨が降らず)ドライな状況ならもっと苦しんでいたと思う」

■藤原が攻撃導く

 日本は後半、速い攻撃で豪州に詰め寄った。導いたのはSH藤原。前半は接点で相手の重圧に押されたが、ハーフタイムに球を運ぶ選手が倒れてもすぐに立ち上がることや、密集へのフォローをチームで確認。すると接点で押し込めるようになり、26歳の素早い配球につながった。藤原は「相手が疲れてきてそういうプレーができたが、前半もやれるようにしないといけない」と反省した。