郡司は4番を務めるなど、チームに大きく貢献した(C)産経新聞社 日本シリーズ進出へあと一歩及ばなかった日本ハム。それでも…

郡司は4番を務めるなど、チームに大きく貢献した(C)産経新聞社

 日本シリーズ進出へあと一歩及ばなかった日本ハム。それでもCSファイナルSでは2連敗で後がない状況から3連勝で逆王手をかけるなど、最後の最後まで脅威的な粘り強さをみせた。

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 昨年と同じ順位ながら、シーズン終盤までリーグ優勝を争うなどし、新庄剛志監督がチームを率いて4年目、選手たちはまた一段とレベルアップした姿をみせた。

 そんな激動のシーズンを戦った日本ハムでは今季、多くの選手が1軍舞台を経験しながら、一度も登録を抹消されることなく完走を果たした選手もいる。

 今回は、その中の野手陣を振り返っていく。野手では、郡司裕也、清宮幸太郎、奈良間大己、五十幡亮汰の4名が1軍完走。

 2年連続完走を果たした郡司は、序盤不振に苦しむ時期もありながら、5月までに3度のサヨナラ打を放つなど、勝負強さは健在だった。次第に調子をあげると、後半は4番に座るなどチームには欠かせない存在に。

 規定打席にはわずかに及ばなかったものの、捕手含め、複数ポジションを守り、打率.297、2年連続2桁本塁打となる10本塁打をマークするなど、今やチームに欠かせない存在となっている。

 また郡司と同じく打線の軸を担っていたのが、清宮だ。昨年は怪我によりシーズン前半は悔しい思いをしたが今季は西武との開幕戦でいきなりホームランを放ち好スタートを切ると、コンスタントに活躍を重ね、打率.272、そして安打数は最多安打のタイトルにわずか1安打差の「143」まで積み上げた。新庄監督からもチームの中軸と認められる清宮が高卒9年目シーズンとなる来季、どんな活躍でチームを引っ張っていくのか。

 そしてこちらも2年連続完走となったのが、五十幡だ。今季は自己最多の118試合に出場。

 今季は安打、打点数ともに自己ベストを更新。7月にはルーキーイヤー以来となる本塁打も飛び出すなど、課題の打撃も進化した姿を示した。さらに持ち味の足でもリーグ3位の「25盗塁」をマーク。新庄剛志監督が求める躍動感あふれるプレーでチームを盛り立てた。11月の侍ジャパン強化試合にも選出とシーズンはまだ終わらない。

 そして、4人目が、奈良間だ。プロ3年目で初の1軍完走。スタメン出場こそ少なかったものの、86試合出場、代打、代走、守備固めでも内野の複数ポジションをしっかり守り、チーム全体の選手起用も柔軟に行うことができた、陰のキーマンともいえる存在だ。持ち前の明るい性格でムードメーカーとしてもベンチから盛り立てた。

 このほか、終盤にクライマックスシリーズに備え休養で登録を抹消されたものの、フランミル・レイエスもシーズン通して活躍。来日2年目の今季は32本塁打、90打点の成績で自身初となる本塁打、打点の打撃二冠を獲得した。

 こう見てくると、本当に多くの選手がそれぞれの役割を果たしたからこそ、しっかりと成長を示したシーズンともなった。来季は新庄監督就任5年目、目指す悲願の優勝に向け、どんな活躍を見せてくれるのか。引き続き、楽しみなシーズンとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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