大リーグのポストシーズン(PS)は24日(日本時間25日)、「世界一」を決めるワールドシリーズ(WS、7回戦制)がカナ…

 大リーグのポストシーズン(PS)は24日(日本時間25日)、「世界一」を決めるワールドシリーズ(WS、7回戦制)がカナダ・トロントで開幕。32年ぶりの優勝をめざすブルージェイズが、2連覇を狙うドジャースに11―4で逆転勝ちした。

 四回にバーショの2ランで同点。六回にクレメントの勝ち越し適時打、バージャーの代打満塁本塁打などで一挙9得点を挙げて先勝した。

 ドジャースの大谷翔平は「1番・指名打者」で出場し、七回に自身WS初本塁打となる2ランを放った。日本選手がWSで本塁打を記録するのは、2009年の松井秀喜(ヤンキース)以来2人目。25日(日本時間26日)の第2戦で、ドジャースは山本由伸が先発する。

 ドジャースの大谷は敵地の大ブーイングの中、笑顔でグラウンドに現れた。「(ブーイングも)野球への愛かな」と語っていた通り、高揚感を楽しんでいるようだった。

 が、試合が進むにつれてその笑顔は消えていった。七回1死一塁、WS自身初の本塁打を放っても、ダイヤモンドを回る表情は硬いままだった。

 この時点で、すでに試合の大勢は決していた。PSに入って3戦全勝、防御率0.86だった左腕スネルが四回に同点2ランを浴び、六回にピンチを招いて降板。不安視されていた救援陣も勢いを止められず、この回一気に9点を取られた。

■大振りせずしつこい打線

 ドジャースのロバーツ監督は「有利なカウントをつくっても粘ってきた」。ブルージェイズ打線に脱帽した。

 ブルージェイズは今季のレギュラーシーズンで30球団最高のチーム打率2割6分5厘。そして三振も2番目に少なく、下位打線からでも大量得点できる。

 PSでもヤンキース、マリナーズと屈指の先発陣を擁するチームから平均6.5得点を挙げたすごみを見せつけられた。

 甘い球は強振して3本塁打する一方、4年前に大谷と争って本塁打王になったゲレロを含め、各打者が大振りしない。六回の9点も4番ビシェットが選んだ四球から。簡単にアウトをくれない相手に、スネルの投球数は六回途中で100に達した。

 ドジャースが地区シリーズで争ったフィリーズ打線は破壊力と粗さが共存した。リーグチャンピオンシップで戦ったブルワーズはつなぐ意識はあったが迫力不足だった。その両者の良いとこどりのような打線だ。

 九回、大谷が打席に入ると「We don’t need you(お前なんか要らない)」と強烈な大合唱が響いた。ブルージェイズは2年前、大谷の移籍先の最終候補まで残りながら、獲得競争で負けた経緯がある。

 21世紀初のWS連覇へ、最後の敵は、相当手ごわい。(トロント=安藤仙一朗)