サッカーは常に変化している。そうして新たな時代が築かれていく。だが中には混乱を生む、歓迎されない変化もある。蹴球放浪家…
サッカーは常に変化している。そうして新たな時代が築かれていく。だが中には混乱を生む、歓迎されない変化もある。蹴球放浪家・後藤健生が、頭を悩ませたように……。
■フランスを圧倒も「またしても!」の敗退
チリで開催されていたU-20ワールドカップ。日本代表は、アジアカップ当時に比べると攻撃への積極性が増して見違えるようなパフォーマンスを発揮。3戦全勝でグループリーグを突破しました。そして、迎えたラウンド16でもフランスを圧倒。前半からチャンスの山を築き上げましたが、最後までゴールを割ることができず、延長後半も終了間際に不運なハンドを取られて0対1で敗退となりました。
相手のフランスは、この年代のトップチームではないということですが、それにしてもフランスをあそこまで圧倒したのはすごいことだと思います。
しかし、結果はまたしてもラウンド16での敗退。
さまざまなカテゴリーのワールドカップで(男子の場合)、日本代表はグループリーグは突破するのですが、どうしてもラウンド16の壁を超えることができません。
これだけ、同じことが繰り返されているのですから、何か原因があるはず……。日本サッカー協会としても、そのあたりの分析はしっかりしてもらいたいものです(視察に行ったはずの技術委員長は大会を見ることができませんでしたが……)。
その後、フランスは準決勝まで進出しました。あのフランスがベスト4まで行けるのですから、日本もラウンド16の壁さえ超えられれば、ファイナリストへの道が拓けるのではないでしょうか?
■「優勝経験6回」の強国が決勝でまさかの…
決勝はアルゼンチン対モロッコという顔合わせでした。
アルゼンチンといえば、U-20ワールドカップで過去最多6度の優勝経験を持つ国です。ホセ・ペケルマン監督の時代からU-17代表からU-20、U-23(オリンピック)、そしてフル代表と一貫したチームづくりを進めています。
しかし、今大会の決勝戦ではモロッコの激しく縦突破を狙うダイナミックなサッカーの前に完敗してしまいました。
モロッコはカタール・ワールドカップでベスト4に入りましたが、2030年ワールドカップ開催国の一つですから、今後も強化は続くはず。日本代表にとってライバルの一つということになります(モロッコ国内ではサッカーに巨額の投資をする政府に対する批判が高まっているそうですが)。
■監督の「選手時代が思い出せない!」理由
さて、そのモロッコに完敗したU-20アルゼンチン代表を率いていたのは、ディエゴ・ロドルフォ・プラセンテ監督でした。
プラセンテ、プラセンテ……。確かに、かつて代表で活躍していたDFのはずです。名前は憶えています。僕は画面を見ながら心の中で「プラセンテ、プラセンテ……」と繰り返して記憶の糸をたどっていました。画面に映るプラセンテ監督の顔を見ながら、昔の記憶を呼び覚まそうとするのですが、なかなか選手時代のことが思い出されません。
と、そのとき、思い当たったのです。「ヘアスタイルがまったく違うのだ!」と。
現役時代のプラセンテは長髪で、頭の後ろで束ねていた時代もありますし、もう少し短くしてからも毛髪量が多いので頭が大きく見えたものです。
ところが、アルゼンチン・ベンチ前のテクニカルエリアにいるプラセンテはまったく普通の短い髪型をしているのです。
「ああ、それで思い出せなかったんだ」
謎が解けてからは、選手時代のさまざまなシーンが懐かしさをもって浮かんできました。