(24日、第145回秋季中国地区高校野球大会1回戦 崇徳8―1桜ケ丘) 中学時代のジンクスを、その手で振り払った。 崇徳…

(24日、第145回秋季中国地区高校野球大会1回戦 崇徳8―1桜ケ丘)

 中学時代のジンクスを、その手で振り払った。

 崇徳の1番・新村瑠聖(りゅうせい)主将(2年)は六回、「ここで1本出してチームで楽に戦おう」と打席に立った。桜ケ丘(山口)を相手に4―1。狙っていた変化球を捉えると、打球は右翼手の頭上へ。本塁打で一挙3点を挙げ、大きなガッツポーズを見せた。

 中国大会の開催地、山口県の中学校を出た新村主将。桜ケ丘には、中学時代のチームメート3人がベンチ入りしていた。中堅手の粟山龍翔選手(同)とは「初戦楽しみだね」と試合前に連絡を取り合った。ただ、試合で私情は挟まないと決めていた。

 中学生の時、「相手チームに知り合いがいると打てない」というジンクスがあった。それが、この日は3安打3打点。打席に立った4回とも本塁に生還した。

 試合は7回コールド勝ち。「ジンクスを壊してやろうと試合に入ったのが、生きたのかもしれない」と新村主将。

 夏の広島大会決勝で広陵に敗れ、帽子のつばの裏に「下克上」と全員で書いた。この秋の県大会決勝でふたたび広陵に敗れたものの、7年ぶりの中国大会出場。「下克上」で優勝を目指す。(遠藤花)