角田に対して苦言を呈したベアマンに異論が飛んだ(C)Getty Images し烈なポジション争いが波紋を広げている。物…

角田に対して苦言を呈したベアマンに異論が飛んだ(C)Getty Images
し烈なポジション争いが波紋を広げている。物議を醸すキッカケとなったのは、現地時間10月19日に行われたF1の今季第19戦となる米国GPの決勝で、レッドブルの角田裕毅とハースのオリバー・ベアマンが繰り広げた“バトル”だ。
【動画】故意か、不可抗力か ローソンと角田の衝突寸前の走行シーンを見る
この決勝で7位となった角田が必至のポジション確保を図っていた34周目のターン15だった。後方からインを突こうと攻め入ったベアマンに対して、25歳の日本人ドライバーはブロックラインを取りながらオーバーテイクを許さず。
咄嗟にコースを塞がれ、行き場を失ったベアマンのマシンはそのままコースオフ。なおもコントロールしきれずに、スピンしてしまったのだ。
大きなクラッシュには至らず、角田も「お互いに激しく、でも良い戦いをしていたから、最後の結果だけが不運だった。それがレースってものだよね?」と説明。あくまで故意ではなく、ギリギリの攻防で起きた“不可抗力のドライブ”だと力説した。
一方で“やられた側”のベアマンの怒りは今も収まらない。レース後に「ツノダは一線を超えた。とても危険だったよ。僕らはあんな風にレースをするように育てられていないし、F1のレベルでああいう走り方をすべきじゃない」と言ってのけた20歳の若武者は、約1週間がたった現地時間10月23日に英メディア『Motorsport.』などに対して、「僕の(角田に対する)評価は変わっていないよ」と吐露。改めて、「危険だった」という当該シーンを振り返っている。
「アドレナリンが出ていた影響はあったかもしれないけど、納得はできていない。あのコーナーは、特性上、危険な動きをそれほど目立たずにできる場所だ。だから多くの人が、僕やチームが見たものを見ていない。そういう意味でも僕の彼に対する見解は変わらない」
もっとも、角田だけに非があったのかは不透明ではある。実際に名物識者からはベアマンに懐疑的な意見が飛んでもいる。F1公式サイトでアナリストを務めるジョリオン・パーマー氏は「ツノダの動かし方は不自然ではなかったし、過剰にも見えない。レーシングインシデントだよ」と断言。「(ベアマンは)少し欲張りすぎたんだ」と続けた。
「ベアマンの気持ちは理解できるよ。ドライバーであれば、ブレーキング中に相手の反応的な動きは見たくない。だから、彼はツノダがそれをやってきたのだと感じたんだろうね。でも、あの場面を見る限り、仕掛けるだけの十分なスペースはなかった。
ツノダは瞬間的な、ちょっとした動きで、ほとんど存在していなかったスペースを完全に消し去ったんだ。そうなるとベアマンに行き場はない。ツノダと並ぶこともできず、やや距離もあった。結果として、芝生の上でグリップを失い、スピンしてしまったんだ」
自らの責任と断じられてしまったベアマン。レース後に「彼(角田)は一生懸命頑張っているのに、それが報われてない。だから無茶苦茶なリスクを冒すんじゃないか」と口にするなど苛立ちを露わにし続けた。
両雄の遺恨は深まるばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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