アメリカGPで声価を高めた角田。彼への見方はここにきて変わり始めている(C)Getty Images 価値あるポイント獲…

アメリカGPで声価を高めた角田。彼への見方はここにきて変わり始めている(C)Getty Images

 価値あるポイント獲得によって、角田裕毅に対する評価にも変化が生じている。

 現地時間10月22日、英メディア『Last Word On Sport』によれば、今季契約満了となる角田の評価がレッドブル内で急上昇。サマーブレイク後の5戦中3戦でポイントを獲得した好走によって「厳しい」と見られていた残留の芽が出始めているという。

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 現地時間10月18、19日の第19戦アメリカGPでは、スプリントと決勝レースでそれぞれ7位入賞。ローラン・メキース代表から「最高だ」と絶賛された角田は、スタート直後に3台をかわすアグレッシブな走りを披露。途中、オリバー・ベアマン(ハース)と接触しかけるギリギリのドライブは見せたが、最後までポイント圏内をキープし続けた。

 何よりも求められてきたポイント獲得という「結果」、そして走りの内容でも精度を高めてきている角田。かねてからレッドブルは、26日に決勝を迎える第20戦メキシコGP終了後に来季陣容を発表すると公表してきたが、日本人ドライバーのパフォーマンスを評価し、決断を先延ばしにする可能性が高まっている。

 角田の現状を「将来がかかった時期に重要な前進を果たした」と伝える『Last Word On Sport』は、「2026シーズンの体制は、メキシコGPがデッドラインであったが、期限が延長される可能性が高いという見方が強くなっている」と断言。今年7月に就任したメキース代表の下で、改良型フロアパーツを使い始めて以降、角田の走りに改善が見られ、上層部もプランを再考。「絶対的な根拠が薄いドライバー交代を急ぐつもりはない」という。

 実際、レッドブルの重鎮も角田に対する見方を変えている。チーム編成に大きな権限を持つ、チームアドバイザーのヘルムート・マルコ氏は、独衛星放送『Sky』において「ユウキは非常に良いスタートを切ったし、私たちは競争力があったので、そこにも上昇傾向が見られる。今の彼の安定感はチャンピオンシップをめぐる戦いにおいて非常に重要だ」と指摘。来季のドライバー選考に関しても「私たちの優先事項ではない」と言い切っている。

 競争力のあるマシンさえ与えられれば、入賞できる――。その証明が角田の立場を変化させたのは間違いない。無論、今後もアイザック・ハジャーやリアム・ローソン(ともにレーシング・ブルズ)といったライバルとのポジション争いは続く。いずれにしても、緊張感が続く中で角田がどこまでアピールし続けられるかに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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