女子初となるパラアイスホッケーの世界選手権が8月、スロバキアで開催され、日本からただ1人、福西朱莉さん(34)が参加し…

 女子初となるパラアイスホッケーの世界選手権が8月、スロバキアで開催され、日本からただ1人、福西朱莉さん(34)が参加した。9カ国の選手で構成する「TEAM WORLD」のメンバーとして出場し、4ゴール1アシストの活躍を見せた。健常者のアイスホッケー選手だったが、パラアイスホッケーの経験はわずか9カ月あまり。ミラノ・コルティナ・パラリンピック出場を目指す日本代表入りも目標にしており、スピードを磨く練習を続けている。

 パラアイスホッケーは、下肢に障害がある選手が、「スレッジ」と呼ばれるスケートの刃を2枚付けた専用のそりに乗り、左右の手にスティックを持ってプレーする。パラリンピックでは、女子は正式種目として採用されていない。

 世界選手権にはアメリカ、カナダなどの5カ国が単独チームで参加。「TEAM WORLD」と合わせて6チームで争い、アメリカが優勝、「TEAM WORLD」は5位となった。

■ホッケー留学で北海道へ

 大阪出身の福西さんは、小学校時代にアイスホッケーを始め、中学卒業とともにホッケー留学の形で北海道釧路市に移った。高校に通いながら、女子アイスホッケーの強豪チームのレギュラーとして活躍し、選抜チームに選ばれることもあった。

 競技は大学2年で引退。卒業後は、児童養護施設に就職した。社会人8年目の2021年3月、オートバイに乗っている時に車に突っ込まれた。足の切断の可能性もあったが、なんとか歩ける状態に戻った。だが、走ったりジャンプしたりすることはできなくなった。現在は東京都板橋区の「子ども家庭総合支援センター」で働き、夜勤や土日出勤もこなす。

 大学院で障害者スポーツの研究をしていた夫の福西八光(はちみつ)さん(31)はパラアスリートの友人も多く、そのつながりから、昨年12月、パラアイスホッケーの体験会に初参加した。スレッジをうまく乗りこなせたことから、育成選手となった。

 「またアイスホッケーができる」。アイスリンクの独特な匂いや寒さ、パックを操作する感覚、氷の上を滑る感覚と音、シュートがボードにぶつかる音。「久々の五感に触れられて興奮、感動した」という。