異次元のパフォーマンスで、声価を高める大谷(C)Getty Images 大谷翔平の異能ぶりに、ウィットに富んだ解説が人…

異次元のパフォーマンスで、声価を高める大谷(C)Getty Images

 大谷翔平の異能ぶりに、ウィットに富んだ解説が人気を集めるコメンタリーでさえも言葉を失った。

 千両役者は大一番で輝きを増した。現地時間10月17日に行われたブリュワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦に先発した大谷は、投手として6回0/3を、10奪三振、無失点と好投。打者としては1本の場外弾を含む3本塁打をマークし、メジャーリーグ史上初の「1試合3本塁打&10奪三振」をやってのけた。

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 とてつもない偉業にお茶の間をも沸いた。当然ながら、メジャーリーグが何たるかを熟知するレジェンドOBも大谷の異次元さには舌を巻く。

 かつてメッツなどで活躍し、MLB通算136勝の実績を持つロン・ダーリング氏は、米スポーツ専門局『ESPN』の元記者であるダン・パトリック氏がホストを務める米ポッドキャスト番組『The Dan Patrick Show』に出演。そこで「あんなプレーは見たことがない。私は偉大なアスリートによる素晴らしいパフォーマンスは見慣れているし、だいたいは表現する言葉を見つけられるんだ。でも、金曜日に起きたことは、今も言葉を見つけられていない」と、率直な感想を打ち明けた。

「あれは誰もが『100年先の話かもしれない』と思っていた出来事だ。この時代、それもああいう決戦の場で起きるようなことじゃない」

 そう言葉を絞り出したダーリング氏は、「彼がやっていることは、少年野球の大会で見るような“何でもできるエース”がしているのと同じだ。ありえないよ」と強調。その上で、大谷の原点となった日本野球の価値を説いている。

「私は20歳ぐらいの時に代理人と『日本で2~3年プレーしちゃダメなのか』と話したことがある。野球を深く学べて、新しい文化にも触れられると思ったんだ。でも、当時の代理人からは『そんなことをしたら一生、アメリカ球界から締め出される』と言われたんだ。私は、その後の彼の言葉を今でも忘れないよ。付け足すように彼は『向こうの野球は劣っているんだ』とまで言ったんだ。ところが、私の人生で見てきた中で最高の選手は日本で生まれたんだ」

 ダーリング氏が現役生活を送ったのは80年代。当時は今ほど国際的なスカウティング技術も発達しておらず、移籍の自由度も低かった。ゆえに代理人が「アメリカ球界から締め出される」と危機感を募らせたのも無理はない。

 しかし、時が経ち、日本の野球を「劣っている」と見る向きは変わりつつあるようだ。

 さらにダーリング氏は「私は『打撃が優れた投手がいる』と聞いても、いつも懐疑的になる。なぜなら私自身もそうだったのだが、メジャーリーグの投手と対峙した瞬間に球のスピンや球速に圧倒されるからだ」と強調。大谷がいかに傑物であるかを論じた。

「メジャーリーグで二刀流をやろうとすれば、多くの選手がそうであったように。『これは自分のレベルを超越している』と悟るものなんだ。『あぁ、俺は通用しない』とね。だからこそ、彼(大谷)の偉業は際立つんだ」

 衝撃のパフォーマンスから数日が経過しても、称賛の言葉は尽きない。その事実こそ、大谷がアメリカにおいてどれだけの存在なのかを物語っていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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