フェルスタッペンのタイトル獲得にどれだけ貢献できるか。今まさに角田の真価が求められている(C)Getty Images …

フェルスタッペンのタイトル獲得にどれだけ貢献できるか。今まさに角田の真価が求められている(C)Getty Images

 奇跡とも言える逆転優勝に向け、偉才のギアが上がっている。

 去る10月19日に行われたF1第19戦アメリカGP決勝で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは快走。見事なポール・トゥ・ウィンで今季5勝目を飾り、1位のオスカー・ピアストリに40ポイント差と急接近。ランド・ノリス(2位)も含めてマクラーレン勢が上位独占のまま終わるかに見えたタイトル争いに食い込もうとしている。

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 大逆転での5連覇に可能性が生じたフェルスタッペン。ここにきて急速に戦闘力を高めてきているレッドブル陣営としては、残された5戦においてポイント喪失は避けたい。さらに言えば、マクラーレン勢の上位進出も阻みたいところでもある。

 そうした情勢でより貢献が重要視されるのが、セカンドドライバーとして奔走してきた角田裕毅だ。今季で満了となる契約問題に揺れる25歳は、不振続きだった一時に「フェルスタッペンは孤独」とも皮肉られたが、サマーブレイク以降では5戦中3戦でポイントを獲得。絶対的エースと同様に競争力を上げてきている。

 角田がフェルスタッペンをお膳立てし、ピアストリとノリスに食らいつく走りを見せられるか。コンストラクターズランクでも上位進出を目論む“常勝軍団”にとっても重要なポイントとなる。ローラン・メキース代表は、オランダのモータースポーツ専門メディア『Racing News365』において「ユウキには果たすべき役割がある。彼個人がタイトル争いをしているわけではないが、彼のポイント獲得は欠かせない」と発破をかけている。

 アメリカGPを7位でフィニッシュし、ポイントを手にした角田。その走りを「最高だ」と評していたメキース代表は「状況や戦闘、戦略の面から言えば、ユウキがスピードを上げられれば、ある段階で(マクラーレン勢と)2対2の状況で戦える」と指摘。これを伝えた『Racing News365』も「レッドブルがフェルスタッペンを助けるセカンドドライバーを生み出せなければ、戦略上の頭痛の種となる」と強調した。

 もっとも、エースとの差は依然として大きいままだ。アメリカGPでも1週あたり約1秒の差が生じている。メキース代表も「あなたたちに言われている通り、二人の差は大きい」と吐露。目の避けようのない真実をふまえ、こう続けている。

「だから僕らは彼に対して、常にもっと、もっとと、求めている。『もう十分だ』とは言いたくない。誰もこれで十分だとは思っていないし、ユウキだってそう思っているはずだ」

 来る次戦(メキシコGP)後に、来季の去就が発表される予定となっている角田。懸念される問題を解消するためにも、レッドブル、そしてエースの逆転優勝に貢献することが何よりも求められている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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