人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャ…

セントアンドリュースのスウィルカンブリッジから。みなさまにお知らせです

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。

滝もスゴイ

少し遅くなりましたが、今回は大切なお知らせがあります。2週前のDPワールドツアー(欧州ツアー)「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」を最後に、当面の間、競技から離れることにしました。突然の発表で驚かせてしまい、いつも応援をしてくださる皆様には申し訳ありません。

昨夏に近年悩まされていた両手首を治療するため戦線離脱し、今年の初めに手術に踏み切りました。幸い順調に回復し、日本ツアーでの準備段階を経て、8月末の「オメガヨーロピアンマスターズ」で欧州ツアーに戻ることができましたが、その後、新たに発生した右手首の痛みとも闘っていたのが正直なところでした。

日本ではとても見られない風景

この間、ツアーのフィジカルトレーナー、ドクターと相談を重ねてきました。アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権の月曜日にドクターの診察を受け、治療しながらプレーを続けたいと伝えていましたが、土曜日に再び診察を受けた際、「今後の連戦に耐えられるとは思えない」と宣告され、シーズン残り3試合をキャンセルし休養に入ることを決めました。

分かりやすく言えばドクターストップという感じで、自分の中ではスッキリしています。左手は良くなったのですが、目下の問題は右手です。甲の部分を手術で固定したのですが、その周辺の手首側に時折強い痛みを憶えます。暑い日本で調整している際には出なかったような症状が、気温の低い欧州では鮮明になりました。もちろん、主戦場に戻ったことで少なからずアドレナリンも出て、力が入ったことも要因にあるでしょう。

アイスランドの風景

ドクターには「連戦に耐えられる状態に戻るには、6カ月くらいかかるだろう」と言われました。前回のお休みは、手術をしつつもブランクをなるべく短くしたい気持ちがありましたが、今回ばかりはしっかり時間を設けるつもりでいます。今度カムバックするのは、力いっぱいクラブを振れて、球を自在に操れるようになったと思えたとき。来年戻れたら…とは思いますが、もっと先かもしれません。もちろん、数カ月後に復帰しているかもしれません(笑)。今は「どこまでに戻ろう」とは考えず、治療とトレーニングに専念するつもりです。

氷河に大感動

休養を決めて“最後のラウンド”は子供の頃からの憧れだったセントアンドリュース・オールドコースでした。これも何かの縁かもしれません。ちょうど父が応援に来てくれたタイミングでもありました。インスタートの18番、名所のスウィルカンブリッジでジャック・ニクラスみたいに手を挙げて記念撮影。まだOUTの9ホールが残っているのに、気持ちよく帰りそうになりました(笑)。一足早い今年の打ち納め。ゴルフ好きには最高の舞台でした。

砂浜にも氷河が

欧州ツアーの出場権が今後どうなるか、再び公傷制度の対象になるかどうかは現在ツアーに確認中。Qスクールファイナルステージの出場資格を伸ばしてもらうことはできましたが、復帰する際にレギュラーツアーで戦える保障はどこにもありません。

ただ、これまでと変わらず、僕はゴルフができるなら世界中のどこへでも行きます。欧州の下部チャレンジツアーでプレーすることになっても、また新しい国、新しい土地に行けると思うと、ワクワクもするんです。

アイスランドでオーロラを見てきた

休むことを決めて、一足先にキャディバッグは父に日本に持って帰ってもらいました。僕はと言うと…せっかくなので、今まで行けなかったところへ。スコットランドから更に北へ飛び、オーロラを見るためにアイスランドに立ち寄ってきました。滝や渓谷に圧倒され、海に浮かぶ氷河に感動しました。カナダを経由してようやく帰国の途に就きます。

きっとまたどこかで、ゴルフを全力で楽しめる日が来るはず。その時にまた、こちらでお会いしましょう。

アイスランドの夕焼け