両者譲らない近距離の打撃戦で、テンプルにカウンター気味に頭が突き刺さる偶発的バッティングが発生。試合続行不可能となった…
両者譲らない近距離の打撃戦で、テンプルにカウンター気味に頭が突き刺さる偶発的バッティングが発生。試合続行不可能となった選手が負傷判定で“判定勝ち”という、双方ともに不完全燃焼なバッドエンドに会場も騒然となった。
10月19日、後楽園ホールで行われた「RISE192」。梅井泰成(Mouton)と吉田晄成(TEAM TEPPEN)の一戦は、梅井がワンダウンを奪い主導権を握る展開の中で偶発的なバッティングが発生。倒れ込んだ梅井は試合が続行できず、リングに倒れ込み意識が朦朧とする中での負傷判定で勝利。両者にとって不本意な判定決着となった。
王者・安本晴翔への挑戦権をかけたフェザー級王座次期挑戦者決定トーナメント準決勝で、元TEAM TEPPEN所属の梅井と、6戦全勝3年無敗の現所属・吉田が激突した注目の試合。
試合は序盤、吉田はローで崩しにかかるも、梅井がミドル、ロー、ボディと連打をつなげ、多彩な攻撃を展開。近距離でパンチを次々と繰り出す梅井に対し、防戦気味の吉田は距離を詰めて反撃を狙うが、タイミングをつかみきれない。その一瞬の隙を突き、梅井の鋭い左ストレート、さらにまくるような右が命中。吉田がダウンを喫する。残り1分で猛ラッシュを仕掛ける梅井に対し、吉田も必死に体勢を立て直し、ゴングまで持ちこたえた。
梅井が主導権をキープするなか、試合は思わぬ方向へ。2ラウンド、巻き返しを狙う吉田が前へ出ると、梅井は体を入れ替えて連打で応戦。吉田もボディへのミドルで反撃するが、至近距離の攻防で頭を下げた梅井の頭部が踏み込んだ吉田の顔面にヒット。試合は一時、中断される。
再開後、吉田がギアを上げて猛攻を仕掛ける一方、梅井も強気に打ち合い、クリンチの際には頭がかすめる“際どいシーン”が続出。「ハードな試合になった」「バッティングがチラつく」など緊張感のある展開が続く中、問題のシーンが起こる。
ラウンド中盤、踏み込んだ梅井が左ストレートを放つも、これが空を切る。そこに吉田の頭がカウンター気味に梅井の左側頭部付近に激突。“バコッ”という拳とは異なる鈍い音が響き、梅井がマットに崩れ落ちる。スロー映像では、吉田の頭が梅井のテンプルに直撃する衝撃的な場面が映し出された。
ABEMAの解説・一馬は「梅井選手はこういうのが多い。インを取りに行く、中に入りながら左ストレートを狙うと自ずとこうなる。交差して」と梅井のファイトスタイルゆえのアクシデントであると分析した。
不可抗力の出来事とはいえ、梅井のダメージは深刻。リングに倒れ込んだまま動けずドクターが駆け寄る状況にファンも「カウンターの頭突き」「こめかみか」「テンプルだ」と騒然。リプレイでは脳がグラグラと揺れるような様子が映り「これは救急車」「無理だろこれは」と心配の声が飛び交う。直後にゴングが鳴らされ、ドクターストップで試合終了となった。
2ラウンド途中までの負傷判定は、3者とも1ラウンドでダウンを奪った梅井を支持し、3-0(20-18、19-18、20-18)で勝利が確定。元師匠の那須川弘幸代表がドクターとともに心配そうに駆け寄り、吉田も思わぬアクシデントに深々と頭を下げる。虚ろな表情の梅井には「記憶ないかもな」「結構危ないと思う」と心配の声が相次いだ。
一馬は「脳震とうかもしれないですね。アレだけ強烈に頭ぶつけられたら、パンチよりも痛いもんですから頭突きというのは。我々が見た目には分からないダメージがあると思います」と改めてコメント。ようやく立ち上がり、コーナーの椅子に腰を掛けた梅井。その後、支えられるように立ち上がると、場内のファンに向かって何度も手を合わせて申し訳なさそうに謝罪。陣営に付き添われながらも、自立歩行で控室へ下がっていった。
RISEの伊藤隆代表は気になる梅井の状況について「脳震とうを起こしているということ」とコメント。「様子を見て年始か、その後か、万全な状況を作ってからやりたい」と続け、年内に予定されていた決勝戦を選手のコンディション優先で延期する可能性を示唆した。