<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:日大二13―12国学院久我山>◇19日◇2回戦◇スリーボンドスタジアム八王子 …

<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:日大二13―12国学院久我山>◇19日◇2回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 まだ午後2時だというのに球場上空には黒い雲が立ち込めて暗くなり、試合開始前には照明塔が点灯してナイターになった。そのうえ、雨も降り始め気温は下がっていく。非常に厳しいコンディションで試合が行われたが、雨による54分の中断があったとはいえ、午後2時33分に始まった試合が、午後6時55分に終わる長時間の乱戦になった。

 日大二には50メートルを5秒8で走る投手と外野手の二刀流の小椋 雄仁(2年)がいる。国学院久我山にとっては要警戒の選手だが、1番・中堅手で出場した小椋は、1回表いきなり左前安打で出塁する。国学院久我山の先発・関谷 一輝(2年)は警戒して一塁に牽制球を投げるが、これが暴投になり、小椋は一気に三塁に進む。2番・鈴木 健人外野手(1年)は四球で歩き、3番・田中 祐輝外野手(2年)は普通の一ゴロであったが、小椋は本塁を突く。国学院久我山の捕手・團 慶太郎(2年)が捕球してタッチをしようとした時には、小椋は既にホームインしていた。さらに一死一、二塁から5番・田代 直希内野手(2年)の二塁打で2人が還り、田代もワイルドピッチで生還して日大二が1回表に4点を入れた。けれども、これが乱戦の始まりだった。

 日大二は2回表にも1点を追加。そして3回表日大二の攻撃中に雨が激しくなり試合が中断する。54分の中断を経て試合が再開されると、国学院久我山の猛攻が始まる。日大二に小椋の俊足があれば、国学院久我山にはお家芸のバントがある。3回裏国学院久我山は1番・伊藤 一真外野手(2年)が四球で出塁すると、2番・鈴木 俊司内野手(1年)、3番・戸嶋 健志郎内野手(2年)のバントはいずれも内野安打になり満塁。4番・鴨下 虎之介内野手の2点適時打などで、この回3点を返す。

 その後両チーム1点ずつを入れ日大二が6-4でリードした5回裏から日大二は小椋がマウンドに上がり、先発の杉山 蓮(2年)は一塁手についた。国学院久我山は交代したばかりの小椋から、途中出場の深野 匠馬内野手(1年)の二塁打などで2点を挙げて同点に追いつく。

 それでも日大二は7回表、国学院久我山の2番手・二宮 悠世(2年)の2つのワイルドピッチなどで1点を入れて勝ち越す。その裏国学院久我山は一死二、三塁から8番・團のスクイズは2ランスクイズになり一気に逆転する。

 9回表日大二は途中出場の8番・新田 陸斗外野手(2年)の内野安打で同点に追いつくと、さらに満塁のチャンスが続き、1番・小椋が右中間を破る安打。通常なら三塁打くらいのコースだが、俊足の小椋は一気に駆け抜け満塁本塁打となる。「ランニングホームラン」というのは和製英語で、英語では「インサイド・ザ・パークホームラン」というそうだが、「ランニングホームラン」という言葉の方が相応しい、小椋の足が生んだ満塁本塁打だった。

 その裏を小椋が抑えれば、小椋がヒーローで日大二が勝つことになるが、9回裏国学院久我山は1安打、2四死球で一死満塁となり、8番・團に四球で押し出し。日大二は一塁を守っていた杉山は急遽マウンドに戻し、小椋はそのままベンチに下がった。日大二の齊藤 寛文監督は小椋について、「相当へばっていました」と語る。雨中の投球に加え、ランニングホームランで一気に走り、9回裏にその疲れが出てきての降板だ。

 国学院久我山は、2番・鈴木の三塁手後方に上がるラッキーな安打などでさらに3点を追加し、9回裏で同点に追いつき、タイブレークの延長戦になった。

 無死一、二塁から始まるタイブレークで、10回表日大二は犠打と内野ゴロで1点を入れた。しかし9回表に5点、裏に4点が入っている展開を考えれば、何とも心もとないリードであった。

 それでもマウンドに戻った杉山は「タイブレークの練習はしてきたので、自信はありました」と語るように、三飛と2者連続三振に抑え、日大二が辛くも国学院久我山を破った。

 杉山は4回での降板に「ふがいなかったです」と語り、再度登板できるように、準備はしていたという。齊藤監督も杉山の投球について「粘りを出してくれました」と語る。けれども試合そのものについては「まだまだ、問題だらけです」と浮かない表情だ。確かに天気同様に、荒れた試合だった。それでもこうした試合を物にできた意味は大きい。日大二は25日に国士舘と対戦する。国士舘も走塁が得意なチームだけに、どこまでスキをなくすことができるか。チーム結成から時間が経っていない秋は、1週間の間にチーム力も変わってくる。激戦の成果を次に生かしてほしい。