井上一樹監督初年度の今年は3年連続の最下位を脱出し、一時はAクラス争いを展開するなど、4位に浮上した中日。しかし、借金1…

井上一樹監督初年度の今年は3年連続の最下位を脱出し、一時はAクラス争いを展開するなど、4位に浮上した中日。しかし、借金15は前年と同じ数であり、リーグワーストの得点数、先発陣の高齢化など、課題がまだまだ山積している。井上監督2年目の来年はAクラス入りが求められるだけに、どのようなドラフトを展開する必要があるのだろうか。

先発陣の補強が最優先も…

 中日の最重要課題に挙げられるのが、高齢化が進む先発陣だ。だが、今年のドラフト市場には世代No.1スラッガーの創価大・立石 正広内野手(高川学園)がいる。これだけ長打を期待できる逸材はそう簡単に現れないため、競合覚悟で立石内野手に特攻するのも一つの選択肢だ。

 中日の三塁には、石川 昂弥(東邦)や森 駿太(桐光学園)など、井上監督が期待を寄せる選手がいるが、石川は伸び悩み、森はまだまだ時間がかかる。また、2027年から指名打者制の導入も決まっており、ポジションが被っても併用での起用も可能だろう。特に来年はホームランウィングの設置が決まり、投手有利の球場から打者有利の球場へ変わる。長距離砲を獲得し、地の利を活かしたいところだ。

 一方で先発陣の補強も急務であり、くじを外した場合は先発投手へ方針転換となるだろう。今シーズンは、大野 雄大(京都外大西‐佛教大)、松葉 貴大(東洋大姫路‐大阪体育大)、涌井 秀章(横浜)といった35歳以上投手が先発ローテーションに入っていた。また、柳 裕也(横浜‐明治大)は国内FA権を取得しており、去就が不透明な状況だ。

 トミージョン手術から復帰した草加 勝(創志学園‐亜細亜大)やスローペース調整で開幕を迎えた金丸 夢斗(神港橘‐関西大)など、稼働の増加が見込まれる若手投手もいるが、来年から一軍で先発できる完成度を持った投手のドラフト指名は不可欠と言える。

 1位候補の中では、青山学院大・中西 聖輝投手(智弁和歌山)、東北福祉大・櫻井 頼之介投手(聖カタリナ)らは総合力が高く、1年目から一軍のローテーションに割って入る実力を持つ。

 2位指名は17番目と1位候補と目されている投手がスリップしてくる可能性もある位置。昨年のドラフトでは金丸、吉田 聖弥(伊万里農林‐西濃運輸)と左を2枚獲得したが、左右にこだわらず、評価の高い投手を狙いたい。日本通運の最速155キロ右腕・冨士隼斗投手(大宮東)、東洋大・島田 舜也(木更津総合)、明治大・毛利 海大(福岡大大濠)、亜細亜大・山城 京平(興南)らが候補になる。

3位以降でチーム編成を整備

 3位以降も引き続き投手の指名を行いたいところだが、2021年ドラフトで大学生外野手を3人指名。そして、2022年、23年ドラフトで大学生・社会人の二遊間選手5人指名と偏ったことで、チーム編成にやや歪みが出ている。

 チーム編成を見ると、岡林 勇希(菰野)より下の世代の外野手が不在だ。ここ数年は岡林が長期離脱をしていないため、表面化していないが、特にセンター候補が少ない状況。3位以降で1人は指名しておきたいところだ。候補として中京大・秋山 俊外野手(仙台育英)、帝京大・彦坂 藍斗外野手(享栄)などをはじめ、高校生では抜群の身体能力を誇る窪田 洋祐外野手(札幌日大)らが挙がる。

 内野手は25歳前後の選手が多いため、大学生や社会人よりも高校生がマッチする。昨年のドラフトで入団した森 駿太(桐光学園)、育成の中村 奈一輝(宮崎商)は将来を期待させるパフォーマンスを示している。下位では彼らとともに数年後の中日を背負う高校生を中心に指名を行うのも選択肢の1つだ。1位入札で立石内野手を獲得できていなかった場合には、今岡 拓夢内野手(神村学園)、高田 庵冬内野手(仙台育英)、新井 唯斗内野手(八王子)など、打力が持ち味の野手も候補になるだろう。

 上位指名では来年、再来年を見据え、3位以降は中長期を見据えた指名を行い、安定したチーム編成を組んでいきたい。

【中日の今季成績】
143試合 63勝78敗2分
支配下人数 63人(去就未確定の外国人選手含む)