(19日、秋季近畿地区高校野球大会1回戦 大阪桐蔭7―1市和歌山) 3季ぶりの甲子園をめざす大阪桐蔭(大阪1位)が、近畿…
(19日、秋季近畿地区高校野球大会1回戦 大阪桐蔭7―1市和歌山)
3季ぶりの甲子園をめざす大阪桐蔭(大阪1位)が、近畿大会の初戦を突破した。
相手はプロ注目の右腕・丹羽涼介(2年)を擁する市和歌山(和歌山2位)で、大会屈指の好カードだった。大阪桐蔭の4番打者・谷渕瑛仁(えいと)(2年)は「丹羽君はいいピッチャー。でも、どこと当たっても目の前の相手を倒すだけだと思っていました」。
三回の第2打席で左中間へ鋭い二塁打を放ち、勢いづいた。五回は右前安打、七回は右越えの三塁打と、3本の安打はいずれも丹羽の球威のある真っすぐをはね返した。九回には代わった有木寿仁(じゅんと)(2年)から右翼へのソロ本塁打を放ち、サイクル安打を達成した。
初戦突破の立役者は「チームが勝てばそれでいいので」と意に介さなかった。記録に気づいたのは、ダイヤモンドを回ってベンチに戻ってから。近くにいた選手が「こそっと教えてくれた」。
個人の結果よりもチームの勝敗を考える姿勢は、3年生の先輩たちが苦心したことだった。打線に課題を抱え、この夏まで主将だった中野大虎(だいと)は「個人のプライドは捨てて、チームのためにやってくれ」と訴え続けた。
昨秋、大阪桐蔭は近畿大会初戦で滋賀学園に惜敗し、今春の選抜大会出場を逃した。ほかの大阪代表も早々に敗れたため、通算の勝利数、優勝回数とも全国トップの大阪勢が98年ぶりに選抜大会に出場できなかった。
「鬼門」だった初戦で好投手との対戦が決まると、前チームで二枚看板を成した中野と森陽樹(はるき)が打撃投手を買って出てくれた。ともにプロを志望する右腕の直球を打ち、谷渕は「(丹羽の直球を)めちゃくちゃ速いとは感じなかった。練習のおかげだった」。
先輩たちの悔しさを背負い、まずは甲子園に戻ることを目標に掲げる。「自分の責任を自覚してやっていきたい。自分たちは甲子園に出ないといけない」。意識するのは勝利だけだ。(平田瑛美)