大谷の規格外の活躍を目の当たりにしたブルワーズナインは何を思っていたのか(C)Getty Images まさしく伝説的な…

大谷の規格外の活躍を目の当たりにしたブルワーズナインは何を思っていたのか(C)Getty Images

 まさしく伝説的な活躍だった。

 現地時間10月17日、ドジャースは本拠地でブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦に臨み、5-1で快勝。怒涛の4連勝で2年連続のワールドシリーズ進出を決めた。この試合で異彩を放ったのは「1番・投手兼指名打者」で先発出場した大谷翔平だ。

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 ポストシーズンで打率.158と不振に陥っていた天才が、大一番で完全復活した。投手としては7回途中まで100球を投げながら、許したヒットはわずか2本。粘り強いブルワーズ打線から10奪三振を記録し、無失点の快投を披露。一方で打者としても1回、4回、7回に3本塁打をマーク。メジャーリーグ史上初となる「1試合10奪三振&3本塁打」の離れ業をやってのけた。

 そんな大谷の異次元パフォーマンスを目の当たりし、ブルワーズナインは何を思ったのだろうか。球団史上初のワールドシリーズ制覇の機会を逸し、肩を落とした面々だったが、試合後には大谷に対する率直な想いを口々に語った。

 ベテラン野手であるクリスチャン・イェリッチは「前例がどれだけあるか分からないけど、史上最高の試合だと思う」と吐露。「だって10奪三振に、3本塁打でしょ? しかも、3本ともギリギリ越えたって当たりじゃなかった。彼が野球界で『最高』と呼ばれるのは理由があるし、今夜は間違いなくそれを見せつけられた」と脱帽した。

 特大アーチを打たれ、特別な感情を抱く者もいる。7回に左中間席にボールをかっ飛ばされたトレバー・メギルは、「今日のショウヘイのパフォーマンスを見て、どう思った?」とシンプルに問われ、「ハハ……」と苦笑い。そして「たぶんだけど、史上最高の試合だ。ただただ脱帽だよ。本当になんてやつだって感じだ」と強調した。

 打たれたのは、98.9マイル(約159.1キロ)の4シームだった。コースがやや甘くなったとはいえ、メギルにとっては「何とか抑えたい」と投げ込んだ渾身の一球だった。

「強烈に叩かれたね。2ストライクまでは行って、巧いこと追い込んだけど、最後の一球が少しだけ甘く入ったんだ。(大谷が現役最高の議論は)今夜で終わりだ。6イニング以上も投げて、3本塁打だよ? そんなの100年は誰も見たことがないはずだよ(笑) こっちは本当に手も足も出なかった」

 誰もが「史上最高の試合だった」と語った。その中で極めつけとも言える証言をするのは、ブランドン・ウッドラフだ。32歳の右腕は、「ドジャースに脱帽するしかない。彼らは信じられないプレーをしていたし、強すぎてどうすることもできなかった」と素直にライバル球団のケミストリーを認めた上で、こう続けた。

「ショウヘイがやったことはかなりとんでもないことだった。もうお手上げって感じだ。彼がホームランを打った直後に、こっちのダッグアウトで『たぶん俺たちの人生で、あいつみたいな存在を見ることはないね』って話していたんだ。つまり、ショウヘイがやっていることは、誰も成し遂げることがないようなことなんだ。僕らは今、信じられない選手を目撃している」

 打たれてもなお、最後の最後まで大谷との勝負を選択し続けた。そんなブルワーズナインの決断も、伝説を作る上で重要な要素となったと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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