第78回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催)が18日、山梨県で開幕した。群馬県勢は高崎商大付(群馬2位…

 第78回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催)が18日、山梨県で開幕した。群馬県勢は高崎商大付(群馬2位)が1回戦で横浜(神奈川1位)と対戦し、4―5で惜しくもサヨナラ負けした。19日の1回戦で桐生第一(群馬1位)が甲府工(山梨2位)と対戦する。群馬、千葉、茨城、埼玉、栃木、神奈川、山梨各県の代表15校が出場し、大会の成績は来春の選抜高校野球大会の出場校を決める際の判断材料となる。(中沢絢乃)

■八回に3点挙げ同点に、速球対策が結実

 ◎…全国トップクラスの強豪・横浜を相手に、高崎商大付は互角の戦いを演じた。最大の見せ場は、3点を追う八回だ。小林良豪(よしひで)(1年)の中前安打、守屋来希(2年)の二ゴロは敵失を誘い、瀬下陽仁(はると)(1年)の左前安打で無死満塁の好機を作った。

 1死後、打席に4番打者で主将の渡辺大夢(ひろむ)(2年)。「狙い球を絞る余裕なんてない。来る球、すべてを何とかしようと食らいついた」。横浜のエース織田翔希(2年)はギアを上げ、150キロ台の豪速球を連発する。渡辺大が直球を振り抜くと、左翼への適時打となった。

 さらに1死二、三塁。5番の太田渓人(2年)は「ゴロを転がせば点が入る」。外角低めの変化球を何とかバットに当てて二ゴロに。三塁走者の瀬下が本塁へ滑り込み、同点に追い付いた。

 関東大会の前、打撃マシンで160キロ台の球に目を慣らし、近距離からの投球を打って対策してきた。この日は横浜と同数の計8安打を放った。

■「レベルアップして甲子園へ」

 ◎…エースの藤田快世(2年)は130キロ台の直球、90キロ台のスローカーブと緩急をつけ、スライダーとチェンジアップも織り交ぜて粘投した。走者を得点圏に進めても、三振や内野ゴロに仕留め、何度もピンチをしのいだ。

 同点で迎えた九回、打者2人を打ち取った。迎えた3人目は五回に本塁打を打たれた横浜の3番・川上慧(1年)。「打たれていたから、慎重になった」。だがスライダーが高めに浮き、再び右越え本塁打を浴びた。サヨナラ負け。横浜の選手たちが喜んでグラウンドに駆け出してくる中、「仲間に申し訳ない」とマウンドで肩を落とした。

 試合後、藤田は「冬の練習で体重を増やし、球速を上げたい。全国に通用する投手を目指す」と気持ちを新たにした。

 渡辺大も「勝ちきれなかったのは自分たちの弱さ。冬の練習を乗り越え、全員でレベルアップして甲子園をめざしたい」と、次の舞台を見据えた。