山本由伸、シャンパンファイトで記者にも“経験”を…「ありがとうございまーす!」【MLB】ドジャース 5ー1 ブルワーズ(…

山本由伸、シャンパンファイトで記者にも“経験”を…「ありがとうございまーす!」

【MLB】ドジャース 5ー1 ブルワーズ(日本時間18日・ロサンゼルス)

 美酒に濡れる姿を必死に追っていると、そっと栓を抜くのが見えた。ドジャースの山本由伸投手は、ナ・リーグ優勝決定シリーズの第4戦に5-1に勝利すると、歓喜の瞬間に浸った。同僚たちにシャンパンをかけたり、浴びたりしていると……。一瞬の“空白”が生まれた。すると、次のタイミングでシャンパンの栓を開け、頭から流し込んできたのだった。

 まさかの“神対応”に驚きを隠せないでいると「ありがとうございまーす! 寒い〜!」と言って、笑っていた。グラウンドを離れるとお茶目な27歳。今年3月下旬には、本物のチャンピオンリングを「見てください、これ。めっちゃ光ってて大きい。持ってみますか?」と、こちら両手に乗せて微笑んでいた。

 いつも口にしているのは「実体験」の大切さだ。「こっち(米国)に来てから、自分でUber(タクシー)にも乗りますし、レストランでは英語のメニューを読んで、注文します。最初はみんな、何かわからないことが多い。でも、1度経験すればそのことについて詳しくなれるし、同じ失敗はしないと思うんです」。メジャー2年目を迎えたマウンドでも同じ感情なのだろう。どこか表情がリラックスしており“貫禄”さえ見て取れる。

 優勝決定シリーズでは第2戦に先発登板して、9回1失点の完投勝利をあげた。この日を迎えるまではシリーズMVPの可能性もあったが、大谷翔平投手が1試合3本塁打&好投で受賞。一瞬の苦笑いから、満面の笑みを浮かべて「もう本当に悔いはないです。翔平さんがプレーしているところを見ながら、投手をしている時は『この人、バッターなんやな』みたいな。バッターをしている時は『この人、さっき投げていたのに』みたいな(笑)。僕の脳が追いつかないというか。まさにそういうプレーを見させていただいた」と感慨深そうに言葉を選んだ。

 オリックス在籍時、2021年から2023年までパ・リーグ3連覇。海を渡っても、ドジャースでナ・リーグ2連覇。1人で“5連覇”を成し遂げている。「最後まで、全員で勝ち切りたいですね」。美酒が沁みても、まだ目は赤くない。ゴーグル越しに見える笑顔が、とてつもなく似合う。(真柴健 / Ken Mashiba)