◇国内女子◇富士通レディース 2日目(18日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)◇晴れ(観…

首位タイで最終日へ(Atsushi Tomura/Getty Images)

◇国内女子◇富士通レディース 2日目(18日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)◇晴れ(観衆4043人)

初日は一度も出番がなかった“お守り”をこの日は2回使った。渡邉彩香は後半12番と15番でエースドライバーをバッグから取り出した。「後半に風も強くなってきたりして、自分のイメージと違う球が何回か出て。『ちょっと1回、打ちたい』ってなりました」と笑う。

テストしているブリヂストンの最新モデル「B-Limited BX1★TOUR」、通算6勝目を挙げた7月「大東建託・いい部屋ネットレディス」でも使ったエース「B-Limited B1 LS」という2本の1Wを入れるセッティングを1打差2位スタートの2日目も継続。飛距離性能に優れる一方、渡邉にとってこれまで好んできた“顔”との違いに適応している段階でもある新作は後半に少し乱れるシーンがあった。

2度目のスイッチ直前の14番は思い切り左へ飛んだ。「イヤですね…」と苦笑するミスのフィーリングを引きずって調子を崩さないための2本態勢。15番で慣れ親しんだ相棒を打つと、悪いイメージを打ち消すことができた。「やっぱり顔が違うので。きのうは使わなかったけど、きょうは持っていって良かった。風も吹いて、自分のリズムも早くなり始めていたので」。最終18番はもう一度新作に戻し、ピンまで残り90ydほどに運ぶビッグドライブ。改めて確認できたポテンシャルは、やはり捨てがたい。

9番では残り135ydから9番アイアンのセカンドがあと少しでイーグルというスーパーショットだった。打ち下ろしの13番(パー3)でも8番アイアンでピンに絡める完璧な一打。試すところは試しながら、抜群のアイアンショットでチャンスを量産して「69」をマーク。通算8アンダーで3人が並ぶ首位に立って最終日を迎える。

2015年以来となるシーズン複数回優勝へ、ラスト18ホールもドライバー2本で戦うのか。「たぶん、2本入れていくと思います。やっぱり、勝ちたい。プレッシャーのかかる場面で新しいドライバーにトライすることに価値もあるけど、(不安があって)それができないんだったら、割り切ってやらなきゃいけない」。浮き沈みを味わいながら32歳まで重ねてきたキャリアが、シビアな駆け引きを可能にする。(千葉市緑区/亀山泰宏)