サッカー日本代表が、歴史的な勝利を挙げた。唯一ワールドカップ全大会に出場し、最多5度の優勝を誇る「王国」ブラジル代表か…

 サッカー日本代表が、歴史的な勝利を挙げた。唯一ワールドカップ全大会に出場し、最多5度の優勝を誇る「王国」ブラジル代表から、史上初めて勝利したのだ。なぜ快挙は成し遂げられたのか。また、来年の北中米ワールドカップに向けて、どのような意味を持つのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が語り尽くした!

■パラグアイ戦と「まったく違った」3バック

大住「日本が逆転したのは後半の26分だったじゃない。アディショナルタイムが6分もあったし、残り時間が20分以上もあるのに守り切れるのかなと思ったけど、うまくやったよね。単に引くのではなく、カウンターを繰り出して相手に嫌がらせをしながら、うまく守ったと思うよね」

後藤「相手がわりと外から強引にクロスを入れてきたけど、鈴木彩艶が全部シャットアウトしたしね」

大住「アウトサイドをケアしていた選手、3バックの渡辺剛や鈴木淳之介、ウィングバックも含めて、不用意に飛び込まなかったよ」

後藤「パラグアイ戦とはまったく違った。相手が無理して仕掛けてきたところにちょっと足を出して取ったり。鈴木淳之介は終盤に交代で出てきた選手にスピードで置いていかれていたけど、全般的に対応は良かった。チーム全体として1点リードのまま、うまく試合を終わらせられたんじゃないかな」

■遠藤航と組ませたら「もっと良くなる!」

――遠藤航三笘薫ら主力が不在で、キーとなった選手は誰でしょうか。

後藤「今後も遠藤がいなくても大丈夫じゃないかと思うくらいに、佐野海舟は2試合通じて素晴らしかったね」

大住「いやいや、遠藤は必要だし、守田英正もまだまだやれるよ。それに、遠藤と組ませたら、佐野はもっと良くなると思う」

後藤「佐野の良さはボールを奪うことだけじゃなくて、奪ってからだね」

大住「出ていけるからね」

後藤「動けるんだよね」

大住「それにパスも出せるし、アタッカーみたいなプレーもできる。パラグアイ戦の後で、佐野があんなに目立ったのは遠藤がいなかったからじゃないかと僕は言ったけど、今の佐野なら遠藤がいればさらに良くなるよ」

後藤「遠藤不在が頭をよぎるのは、クラブで2シーズンもほとんど試合出ないままで、来年までもつのかという心配があるからだよね」

大住「そうなったとしたら、ボランチに鈴木淳之介を使うという手もあるよ。タイプ的には、完全に遠藤の後継者だよね。ヘディングは弱くないけど、最終ラインをやるにはちょっと高さ(身長180cm)がないし。彼の力を一番引き出すには、今回のブラジル代表のカゼミーロみたいな役割を与えるのがいいんじゃないかな。今回ボランチで先発した鎌田大地も良かったね。経験が豊富であるという感じはしたし、すごくゲームに落ち着きを与えていたよね。鎌田は前半も悪くなかった。前半も良かったのは鎌田と堂安律。鎌田は途中でシャドーに入ってからも、なかなかだった。それに、出場時間は短かったけど、相馬勇紀も良かったな。必要なことをちゃんとやるよね」

■前半45分間で学んだ「ブラジル選手の動き」

後藤「リードして残り時間がどのくらいあるかを考えながらプレーできるよね」

大住「計算の立つ、そして決して変なことをしない選手だよね」

後藤「ああいう時間に出すのにいい選手だね」

大住「それでいて、けっこう強気なプレーをするし。またどこか、ヨーロッパに行ってしまうかもしれないね。とにかく後半については、本当に何も言うことはないよね。よくできました、という感じだよ」

後藤「ブラジルがあんな出来だったということを差し引いてもね」

大住「前半を見ていて分かったのは、ブラジルの選手というのは国内組でも欧州組でも関係なく、フィジカルが強くてスピードがあって、なかなか1対1で対抗するのが難しいということ。後半はそれに引けをとらなくなったよね。ドンドンやられちゃうとか全然取れないとかじゃなくて、相手を追い詰められるようになったし」

後藤「ブラジルはいつもそうなんだけど、ゆったりとボールを持っていると思ったらスーッと入ってくるスピードがすごいんだけど、前半45分間で、それを見て学んでいたよね。抜かれたと思っても、後半はちゃんとカバーが入っていたからね。

 69分に鈴木淳之介が右サイドに顔を出してブロックしたのもあるし、90分に田中碧がブロックした場面もあった。相手が出てくる動きを予測できるようになった。前半45分間というか、パラグアイ戦も通じて、うまくなった。やはり皆、頭が良いね」

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