肩を落として、会場を後にする角田(C)Getty Images 陣営の判断に沸いた苛立ちは隠しようがなかった。 現地時間…

肩を落として、会場を後にする角田(C)Getty Images
陣営の判断に沸いた苛立ちは隠しようがなかった。
現地時間10月17日、F1の第19戦となるアメリカGPが開幕。今季4戦目となるスプリントレース予選で角田裕毅(レッドブル)は18番手と停滞し、まさかの予選1回目(SQ1)での敗退となった。
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今月末に行われるメキシコGPで来季のドライバー編成が発表される方針が決まったレッドブル。今季限りで契約満了となる角田には残り2戦でのアピールが求められたが、厳しい結果となった。
フリー走行で13番手となった角田は、「(マシンが)“マックス寄り”のセットアップに少しずつ近づいている」と自信を口にしていたが、SQ1最初のアタックで1分35秒259と失速。さらにここで、ピットレーンでのトラフィックに巻き込まれ、コースインのタイミングを誤るまさかのアクシデントに遭遇。ラストアタックの機会すら得られずに、SQ2へは進めなかった。
各セッションの時間が短いスプリントレースにおいて、あまりに痛恨すぎる判断ミスだった。トラフィックによる影響はあったにせよ、チームとの連携ミスにフラストレーションを溜め込んだ角田は無線を通じて「は? どういうこと!?」と怒りを爆発。レース後のF1公式のフラッシュインタビューでも「何が起こったのか? それは分からないよ。本当に悔しいよ。だって、僕が敗退したのは……僕のコントロール外での出来事だから。僕らはマシンはコントロールできるけど、出ていくタイミングをコントロールするのは彼らだ」と陣営を糾弾した。
「まぁなんというか、『いつも通りの彼ら』って感じだね。正直、それ以上に何も期待はできない。今日はどちらかといえば、ガレージを出るタイミングに問題があったと思う。でも、何かがうまくいかなかったのは確か。ラップタイムを記録するチャンスすらなかったのは、本当に残念だよ」
さらに「僕自身というより彼らにかかっていた。タイミングの決定は、あまりに酷かった」と嘆いた角田。そんな日本人ドライバーの不満を受け止めるレッドブル陣営からは、異例とも言える“謝罪”が展開された。英衛星放送『Sky Sports』のフラッシュインタビューでローラン・メキース代表は「我々が間違っていた」と語った。
「ユウキには謝罪もした。プログラムが少しタイトすぎたんだ。コース上でクールダウンさせるか、ピットインしてからガレージでもう少しクールダウンするかの選択をしていて、ガレージに戻ってから再びコースに出ようとしたんだ。我々はまだ時間があると思っていたが、それができたのは数台だけだった。ユウキには本当に申し訳なく思う」
初歩的とも言える判断ミスによって、手にしたかった結果を失った角田。自身の目標であるレッドブル残留に道のりは、かつてないほど険しいものになっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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