高校野球の秋季近畿大会が18日、奈良県橿原市のさとやくスタジアムで開幕する。大阪府予選を勝ち上がった大阪桐蔭、近大付、…

 高校野球の秋季近畿大会が18日、奈良県橿原市のさとやくスタジアムで開幕する。大阪府予選を勝ち上がった大阪桐蔭、近大付、金光大阪の3校が府代表として出場する。近畿大会の結果は春の選抜大会の出場校選考で重視されるが、昨秋の大阪勢はふるわず、98年ぶりとなる選抜出場ゼロの異例の事態となった。「高校野球王国」大阪の復権はなるか。

 「何としても甲子園に行くという思いがある」。近畿大会に向け、大阪桐蔭の西谷浩一監督は力を込める。

 昨秋の近畿大会は1回戦で滋賀学園に逆転負けした。大阪勢が今春の選抜で1校も選ばれなかったのは、他校の成績も伸び悩んだためだが、大阪桐蔭は過去4度の選抜優勝を誇る分、「歴史を潰してしまった」(西谷監督)と悔しさも大きかった。

 今夏の大阪大会では決勝で東大阪大柏原に敗れ、コロナ禍で春夏の甲子園が中止された2020年を除くと、今年は6年ぶりに春夏とも甲子園に行けなかった。新チームは府予選準決勝で金光大阪に2―0、決勝で近大付に9―8で勝ち、粘りとまとまりがある。西谷監督は「全員の力を合わせ、接戦を勝ち抜いていきたい」

 近大付は府予選準優勝で8年ぶりの秋季近畿大会出場を決めた。プロ野球ソフトバンクの小久保裕紀監督のおいである小久保成逢(せいあ)選手(2年)ら強打者をそろえ、打ち勝ってきた。選抜は1990年に優勝しているが、最後に出場したのが2003年と20年以上遠ざかっている。「まだまだ強くなるチーム。大阪桐蔭に負けた悔しさを近畿大会にぶつけたい」と藤本博国監督は意気込む。

 大阪3位で4年ぶりに秋季近畿大会に出場する金光大阪は接戦に強い。府予選は2回戦で北野に3―1、3回戦で関大一に3―2、今夏の甲子園に出場した東大阪大柏原との4回戦は4―3で制した。太成学院大との3位決定戦は雨で2度中断し、六、九回を除いて得点圏に走者を許したが、3―1で勝った。「近畿大会に出場するチームでうちが一番弱い。ただ、このチームは我慢ができる。できることを精いっぱいやりたい」と横井一裕監督は話す。

 来春の選抜の一般選考における近畿の出場枠は6。近畿大会でベスト4に入れば大きく前進、ベスト8でも選抜出場の可能性はある。近畿大会の試合はバーチャル高校野球(https://vk.sportsbull.jp/koshien/)で速報される。(渋谷正章)