ドイツ国内で歯に衣着せぬ発言が人気を博するコメンテーターとなっているラルフ氏(C)Getty Images 往年の名ドラ…

ドイツ国内で歯に衣着せぬ発言が人気を博するコメンテーターとなっているラルフ氏(C)Getty Images

 往年の名ドライバーによる“身内贔屓”が物議を醸している。

 発信者となったのは、元F1ドライバーで、6度の優勝経験を誇るラルフ・シューマッハ氏だ。現地時間10月15日、ドイツ衛星放送『Sky Sports Germany』のポッドキャスト番組「Backstage Boxengasse」に出演した50歳は、自身の甥であり、NTTインディカー・シリーズに参戦しているミック・シューマッハが、F1の名門レッドブルに属する角田裕毅、そしてリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)よりも「格上だ」と論じたのだ。

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 確かに両雄ともに今季は不振を極めている。今年3月末にローソンに代わってレッドブルに緊急昇格を果たした角田だったが、“じゃじゃ馬”とも揶揄されるマシン『RB21』に苦戦。低調なパフォーマンスに終始し、コンストラクターズランキングでも17位と後退しているため、一部メディアや識者の間では、去就が何かと論争の火種となっている。

 絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンを優遇し、マシン強化を展開するチーム事情もあり、レッドブルで理想的な走りをできずにいる角田。そんな日本人ドライバーの苦闘ぶりを「ミックは間違いなくツノダよりも優れている」と力説したラルフ氏は、F1界の伝説的レーサーであるミハエル・シューマッハ氏を父に持つ甥を推挙した。

 過去にF1に44回出場しているミックの最高位は6位。角田と変わりはないが、それでも「彼はF1に十分対応できる実力がある」と断言するラルフ氏は、こうも続けている。

「私の意見を言わせてもらえば、ミックは、ツノダだけじゃなく、リアム・ローソンやフランコ・コピラントよりも優秀だよ。だって、3人ともミックより酷い、いや、かなり酷いと言えるよ。だから、全く理解できないんだ。各チームの代表はミックを起用しなかったというミスを犯しているじゃないか」

 F1参戦歴は有しているとはいえ、ミックが角田やローソンよりも「劣る」かは不透明。その実力は一概に比較はできない。ゆえにラルフ氏の発言には各国メディアから疑問の声が飛んでいる。オーストリアの日刊紙『Kronen Zeitung』は「例えば、レッドブルにおいてユウキ・ツノダよりもミック・シューマッハがF1で活躍する資格があると本当に言えるのだろうか」と指摘した上で「誰もが彼(ラルフ氏の)意見に賛同するわけではない」と強調している。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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