今回のtotoはJ1第34節の8試合と、J2第33節の5試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析…
今回のtotoはJ1第34節の8試合と、J2第33節の5試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
■エスパニョールな香り「ラテン監督」対決
今節のJ1では、首位の鹿島アントラーズと、勝点5差で追う4位のヴィッセル神戸による上位対決が実現する。楽しみな対戦だが、このカードは金曜日に行われるため、予想の対象外となっている。
だが、興味深いゲームは他にもある。「同門対決」である。
3位の柏レイソルは9位のガンバ大阪と対戦する。大阪での対戦だが、このカードにはエスパニョール(スペイン語の男性名詞)な香りがする。ともに率いるのは、スペイン人監督なのだ。
ホームで迎え撃つG大阪のダニエル・ポヤトス監督は昨季、チームをリーグ戦4位に導いた。前節こそ引き分けで連勝が止まったが、5勝1分と6戦無敗中である。
だが、分があるのは柏のリカルド・ロドリゲス監督か。ポヤトス監督の計5シーズンを上回る7シーズンも、Jリーグを戦っている。浦和レッズの監督に就任した2021年には、古巣であるヴォルティス徳島を率いるポヤトス監督と対戦。コロナ禍において来日が遅れたポヤトス監督が実際に指揮を執った第25節、アウェイで対戦して1-0で勝利している。
また、今季は多くの外国人監督がJ1チームを率いているが、柏が敗れたチームはいずれも日本人が指揮するチームだった。戦術のぶつかり合いが好相性につながるのか、ロドリゲス監督は外国人監督が率いるチームに負けていないのだ。
ルヴァンカップで逆転で決勝へ勝ち進んだ勢いもある。ここは柏の勝利を予想したい。
■大躍進の水戸ホーリーホック「元監督」対決
川崎フロンターレと、清水エスパルスの対戦も興味深い。川崎の長谷部茂利監督、清水の秋葉忠宏監督とも、水戸ホーリーホックでの指揮で名を上げ、J1での監督キャリアをつかむに至ったのだ。ともに水戸で監督として成長し、さらに今季の水戸の躍進につながる土台をつくった2人と言える。
勝敗予想の投票率を見てみると、清水勝利の声は10%程度で、川崎勝利の予想が7割超と大きくホームチームに傾いている。実際に現在の順位でも川崎が7位と、11位の清水に勝点12差をつけている状態だが、本当にそこまでの力の差があるのだろうか。
長谷部監督は水戸での初年度は10位だったが、続く2019年にはプレーオフ出場圏内の6位と勝点、さらに得失点差まで並ぶ7位に上昇させた。総得点数で劣ってプレーオフ進出はならなかったわけだが、攻守のバランスを向上させての躍進だった。
その翌年に水戸を引き継いだのが、秋葉監督だった。前年に泣いた得点力を、一気に13ゴールも上乗せ。失点もかさんだが、自分の色を重ねることに成功した。
長谷部監督は川崎でも攻守のバランスを大事にしているが、最近は不用意な失点が続くなど、やや舵取りに難儀している印象だ。直近の公式戦であるルヴァンカップ準決勝第2戦で、大逆転負けを喫したことも気がかりだ。ここは秋葉監督の情熱を買い、清水の勝利を予想する。
後編でも、他の同門対決について考察する。