(16日、プロ野球クライマックスシリーズ最終ステージ 阪神タイガース5―3横浜DeNAベイスターズ) 午後10時が過ぎ、…

(16日、プロ野球クライマックスシリーズ最終ステージ 阪神タイガース5―3横浜DeNAベイスターズ)

 午後10時が過ぎ、トランペットの音色が消えた甲子園で、ひときわ大きな声援を浴びる選手がいた。阪神の森下翔太だ。

 十回無死一塁、初球だった。119キロの浮いたスライダーを思いっきり振り抜いた。「伸びろと思って走っていた」。打球が左中間フェンスをぎりぎりで越えると、人さし指を突き上げた。

 「つなごうと思った結果が、自分もびっくりしたけど最高の結果になった」

 自身の好守備とリーグ優勝を支えた救援陣が、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。1点を追う八回無死二、三塁では右中間への打球を捕球すると、すぐさま本塁へ好返球。犠飛での生還を阻んだ。そして、その裏の攻撃で佐藤輝の同点適時打が出た。

 救援陣は六回から畠世周、湯浅京己、岩貞祐太、石井大智、及川雅貴と無失点リレーで、反撃を待った。

 藤川球児監督はシーズン当初から「中継ぎは(チームの)心臓」と言い続けてきた。チームの土台がしっかりしているからこそ、野手ものびのびとプレーできる。そんなセ・リーグ王者の底力を見せつけて、日本シリーズまであと1勝だ。(大坂尚子)

■藤川監督「我慢強く戦った」

 藤川監督(神) 「チーム全体で我慢強く戦った。すばらしいゲーム。(サヨナラ2ランの)森下はすごいですね」

阪神がサヨナラ勝ち。八回に佐藤輝の適時打で同点とし、延長十回に森下の2ランで決めた。DeNAは終盤、救援陣が踏ん張れなかった。