岡本、村上の動向は大物FA選手の去就に影響を受けそうだ(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext…

岡本、村上の動向は大物FA選手の去就に影響を受けそうだ(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、Getty Images

 『New York Post』紙の名物記者ジョン・ヘイマン氏は10月14日、レッドソックスのアレックス・ブレグマンが保有するオプトアウト条項を行使し、残り2年総額8000万ドル(約120億円)の契約を破棄してフリーエージェント(FA)になると報じた。

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 このオフのFA市場において、大きなインパクトをもたらす大物が現れた。移籍1年目だった今季は太腿の故障の影響で114試合の出場にとどまったが、打率.273、18本塁打、62打点で、OPSは.821に達した。31歳の右打ちの三塁手は、依然バットが健在なことを示した。

 日本球界からはヤクルト・村上宗隆のメジャー挑戦が規定路線。加えて巨人・岡本和真もこのオフの挑戦へ向けて、球団とポスティングシステムについての協議を本格化させると伝えられている。セ・リーグのライバル球団で本塁打王争いを長年繰り広げてきた。ともに一塁か三塁という内野の「コーナースポット」が守備位置で、このカテゴリーで今オフFA市場で最上位にランキングされるのがブレグマンとなる。

 MLB公式サイトが8月22日に発表したFA選手ランキングでは、ブレグマンはカブスのカイル・タッカーに次ぐ2位にランキングされていた。オプトアウトしてFAになった場合、という前提でだ。3位がフィリーズのカイル・シュワバーで、今季56本塁打で大谷翔平の3年連続本塁打王を阻んだ大砲をもしのぐ高い評価だった。

 コーナー内野手ではメッツのピート・アロンソが6位で、こちらもオプトアウトしてFAとなる方向だ。他にもマリナーズのユジニオ・スアレスとジョシュ・ネイラー、パドレスのルイス・アラエスら、このオフはコーナー内野手が豊富。いずれも即戦力という視点では、日本から戦いの場を移すことになる村上、岡本よりも高い評価を得るだろう。

 ポスティングシステムでの挑戦のため、2人が強みとできるのは年齢。村上は25歳で、他のFA選手よりも圧倒的に若い。将来性も加味すれば、魅力的に映る可能性は十分ある。岡本も29歳で、他のFA選手たちと比べれば年齢的な伸びしろがまだ期待できる。

 メジャーのFA市場は、同じポジションであれば評価の高い選手から順番に移籍先が決まっていくのが常だ。その契約条件が一つの指標となり、以降の契約の条件も固まっていく。残るパイが少なくなり始めると、球団側も焦って契約を急がざるを得ない。そうしてマーケットが動いていく。

 村上、そして同じく海を渡るのであれば、岡本の移籍先。その決定を見るには、ブレグマン、アロンソ、少なくともこの2人の移籍が合意に達することが、一つの条件となってきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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