米ツアー7勝のビクトル・ホブラン(ノルウェー)が記者会見を行い、3週前の欧米対抗戦「ライダーカップ」で、自らの欠場によ…
米ツアー7勝のビクトル・ホブラン(ノルウェー)が記者会見を行い、3週前の欧米対抗戦「ライダーカップ」で、自らの欠場により実行された封筒ルールについて語った。
ホブランは首痛を抱えながら初日、2日目とプレーしたものの、同日夜に病院で精密検査を受け、最終日のシングルスマッチの棄権を決めた。スタート前に棄権者が出た場合、個人戦は引き分けとなり、両軍に0.5ptが入る。
この際、棄権者の対戦相手はすでに発表されていた選手ではなく、相手方の主将が開幕前に封筒の中に記していた選手となる。つまり、主将が自らのチームで“最も勝利を期待していない選手”の名前が明らかにされる仕組みだ。
今回は、米国主将のキーガン・ブラッドリーが記していたのがホブランの対戦相手としてもともと指名していたハリス・イングリッシュだったため、マッチの組み換えは発生しなかった。
封筒ルールの実施は1993年大会以来で、4回目。ブラッドリーは大会後「このルールは次の大会までに変えるべきだ。ビクトルにはなんの恨みもない。でも、誰が見ても明らかだ」と指摘した。一方、欧州チームキャプテンのルーク・ドナルドは「ルールはルール。長い間、続いてきた」と話した。
ホブランは16日開幕の欧州ツアーの新規大会「DPワールド インディア選手権」(インド・デリーGC)を前に会見に臨み、「かなり動揺している。自分が出られなかったことも残念だし、何の問題もないハリスがプレーできなかったことも申し訳ない。本当に心苦しかった」と胸中を明かした。
封筒ルールについて問われ「難しい問題だ。スポーツの世界では、けがでプレーできないならポイントは当然失うべきだという風潮が当たり前になっている」と答えた上で「ライダーカップやゴルフの精神、歴史を考えると、けがをしてプレーできないことに同情するという紳士協定のようなものだと思う」との考えを示した。
「理想的な方法はないと思うけど、全体的に見て今の方法がベストではないか。結局のところ、全員がフィールドでプレーしたいと思うだろう」と吐露した。
<ライダーカップ封筒ルールの仕組み>
対象は最終日のシングルス戦
欧州 米国
A vs F
B vs G(※1)
C vs H
D(※2) vs I
E vs J
G、Dがそれぞれのチームの主将が封筒の中に記した選手
欧州のAがけがなどで棄権した場合、米国のGがAの対戦相手となり双方が0.5ptを獲得。Fは繰り下がり、Bと対戦する。Gは試合に出られない
米国のIが棄権した場合、対戦相手は欧州のDで双方に0.5pt。繰り下がりは発生しない