スーパーフォーミュラ(SF)第8戦SUGOでついに待望の初優勝を飾った岩佐歩夢。【映像】若い!SRS卒業で岩佐&元F1…

 スーパーフォーミュラ(SF)第8戦SUGOでついに待望の初優勝を飾った岩佐歩夢。

【映像】若い!SRS卒業で岩佐&元F1大物ドライバーと秘蔵2S

 今やF1に最も近い日本人ドライバーの一人として注目されるが、彼が家族からも 「やめてくれ」と言われたレース活動の継続を危機を乗り越えたことは、今の輝かしいキャリアと表裏一体だ。

 岩佐は現在、F1レッドブル傘下のレーシングブルズでリザーブドライバーも務め、若き日本人レーシングドライバーとして国際舞台に挑戦する24歳。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。ABEMAの取材に応じた岩佐は今季最も嬉しかったシーンについて「前戦SUGOの初優勝ですね。遅くなりました」と語りつつ、「もちろん嬉しかったんですけれど、ほっとした気持ちもあった」と本音も吐露。一年越しで周囲の期待と自らの成長を示すことができた安堵と感謝に満ちていた。

「去年からずっと勝てるスピードはあって…メカニック、エンジニア、ドライバーがそれぞれの仕事をしっかりとして全力でやり切れた結果が優勝につながった」と語る岩佐。実際、今季は12日に行われた第10戦終了時点でランキング2位。雨に祟られた前日11日の第9戦では予選クラッシュ、決勝も赤旗終了で21位に沈んだが、初のシリーズチャンピオンを狙える位置につけるなど、着実な成長を続ける。

 しかし、岩佐のレース人生は順風満帆とは言えず、最大のターニングポイントについて「家庭的には正直裕福ではなかったので、フォーミュラに上がって資金的に無理となった時に、家族からは“もうやめてくれ”と言われるところまでいった」と明かした。「その時に家族以外にもたくさんの方々にサポートいただいてレース活動ができていた状態だったので、レースで恩返ししたいという気持ちが強かった」と、困難を乗り越えたのは自分一人の力ではなかったと振り返る。

 4歳でカートを始め、2019年には佐藤琢磨など名立たるF1ドライバーを輩出した鈴鹿サーキットレーシングスクール(現ホンダレーシングスクール鈴鹿)を首席卒業。2024年にはSFで『ルーキーオブザイヤー』も獲得した岩佐。家族や多くの恩人へレースで「恩返し」すべく、まずは11月末の最終決戦でSFのチャンピオン獲得、そして世界の舞台を目指す。(ABEMA『スーパーフォーミュラ2025』/(C)JRP) (C)Getty Images / Red Bull Content Pool