<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:小岩8―6文京>◇13日◇1回戦◇オーエンススタジアム江戸川球場 野球に熱心に…

<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:小岩8―6文京>◇13日◇1回戦◇オーエンススタジアム江戸川球場

 野球に熱心に取り組んでいる都立校同士の対決となった注目のカード。

 2001年夏の東東京大会で、城東は2年ぶり2度目の甲子園出場を果たしているが、そのチームを率いていたのが梨本 浩司監督だ。その後は広尾を経て、現在は母校の文京を率いている。そしてその時の主将だったのが小岩を率いている茶川 剛史監督である。一緒に甲子園に進んだ監督と主将が24年の時を経ての対決となった。もちろん、練習試合は何度も組んでいるが、公式戦での対戦は初めてだという。目の肥えたファンにとって楽しみな対戦となった。

 文京の責任教師を務めている大谷あけみ部長は、小山台時代に21世紀枠での甲子園出場の際、責任教師を務めていた。監督と部長の両方が甲子園を経験しているというのは、都立校では今の文京だけである。

 文京は今年の夏、5回戦で江戸川に敗れてベスト8進出を逃している。都立対決で敗れたことに梨本監督は悔しがった。一方の小岩は1回戦で開成との打撃戦を展開。逆転サヨナラ負けした。

 秋のブロック予選、文京は2試合とも連合チームとの対戦となり、いずれも5回コールド・無失点での進出である。小岩は初戦では東京電機大に5回コールド勝ちし、代表決定戦では篠崎との下町対決。接戦の末に3対2で逆転サヨナラ勝ちを収め、本大会進出を果たしている。

 試合は、文京が3番をつけた髙橋 和弥投手(2年)、小岩は10番をつけた小林 峻投手(1年)の、緊迫の投げ合いという様相で始まったが、小岩が序盤から安打して勢いを示す。3回に4番・佐藤 匡太選手(2年)の二塁打などで2点を先取。その裏1点を返され、4回には伊藤 大地選手(2年)の三塁打などで逆転されるものの、直後の5回に3番・廣瀬 和望選手(2年)のタイムリー安打で同点として前半を終了する。

 6回からはどちらも継投に入る。文京は2人目の西村 盾投手(2年)を引き継いで背番号1の中野 孝祐投手(2年)が登板。梨本監督のゲームプランとしては、ここから中野投手が抑えていく中で、得点して逃げきるというものだった。ところが、この回に失策と死球をきっかけに小岩は当たっている1番・渡邉 勇二郎選手(2年)と進藤 天翔選手(2年)の連打で2点を挙げる。

 ここからも点の奪い合いとなっていき、7回に文京が1点を返して再び1点差としたが、8回に小岩は1番渡邉選手のこの日4本目の安打を皮切りに、4番の佐藤選手が右方向に上手におっつけて右線二塁打を放ち2点を追加。その裏に2点を返されるものの、9回に小岩が牽制悪送球で1点を貰う形に。結果としては、この1点が大きく効いた。

 文京の梨本監督は、「こんなに点を取られるのは、予想していませんでした。試合の流れとしては、8回の2点が痛かった。9回の失点も大きかったですね。1点差で行けば逆転サヨナラできるかなと思っていたのですけれども…」と落胆しつつも、「本大会の組合せが決まった時から、3つ勝ってベスト8に行こうということは言っていました。手ごたえもあったんですけれどもね。苦戦するのはいいけれども、負けちゃいかんでしょう。まぁでも、教え子に負けたのだから、しょうがないかな(苦笑)」と納得していた。そして、この冬は軸になる投手を育てていくことを最大の課題としていくということだった。

 恩師に勝利した小岩の茶川監督は、「まさかと思ったのですが、何とか勝てました。4回に逆転されても5回にすぐ追いつけたのが大きかった。喰らいついていこうということでやっていましたが、どうかするとワンサイドでやられてしまう危険性はあったと思います。だけど、気持ちで負けないで、打撃では球に逆らわないで逆方向へ低い強い打球を打って行こうということを言っていました。4番の佐藤などはそれをしっかり実践してくれました」と振り返っていた。

 1番の渡邉選手は5打数5安打1打点3得点。盗塁もバッテリーミスも含めて3つを決めた。「喰らいついていこう」という姿勢は、十分に示された試合だったと言っていいであろう。

 それでも、茶川監督は、「何とか勝てましたけれども、梨本先生には、まだまだ教わらなくてはいけないことはいっぱいあります」と語った。11月の今季最終の対外試合は文京グラウンドを訪れて締めの練習試合を組んでいるということだ。