<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:国士舘5-2安田学園>◇13日◇1回戦◇コトブキヤスタジアム 試合後、国士舘の…

<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:国士舘5-2安田学園>◇13日◇1回戦◇コトブキヤスタジアム

 試合後、国士舘の箕野 豪監督は「5回のワンチャンスをものにできました」と語る。その流れを作ったのは、代打として登場した鈴木 一朗内野手(2年)だった。

 国士舘は杉本 大維(1年)、安田学園は山﨑瑛丸(1年)と、ともに背番号11の1年生が先発。2人とも制球がよく、安定した投球で試合を作る。しかし杉本は、3回表は安田学園に4人連続安打の集中打を浴びて2点を先制される。

 国士舘は安田学園の山﨑をなかなか攻略できないでいたが、5回裏国士舘は、7番・福井 結人捕手(2年)、8番・寺内 柊平内野手(2年)が連続四球で、二死一、二塁のチャンスを得る。杉本は3回に2点を失ったものの、4回は持ち直していたが、9番・杉本の打順で代打に鈴木 一朗を送る。鈴木 一朗は身長161センチと小柄な選手。状況を考えても送りバントのケースだ。安田学園はバントを阻止するためのシフトを敷き、前方に猛烈にダッシュしてくる。

 箕野監督は、「シフトをされたら、切り替えてもいい」ということを鈴木 一朗に伝えていた。鈴木 一朗も、ここは打てだと判断する。バントの構えからバットを引くバスターの動きからバットを振ると、中前安打になり無死満塁とチャンスを広げた。

 このバスター成功が試合の流れを変えた。好投していた安田学園の山﨑は、ワイルドピッチをして1点を失う。さらに1番・鈴木 亮汰内野手(2年)の内野安打で同点に追いつき、さらに内野ゴロと犠飛で2点を追加して、4-2と試合をひっくり返した。国士舘は6回裏にも1点を追加する。

 国士舘は先発・杉本のところに鈴木 一朗を代打に送ったため、6回からは背番号1の新居 蒼虎(2年)が登板。新居はピンチはあったものの要所を締めて得点を許さず、5-2で逃げ切った。結果として、鈴木 一朗のバスターからの安打が勝負の分水嶺になった。

 言うまでもなく、鈴木 一朗は、日米で野球殿堂入りしたマリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターのイチローの本名と同じだ。国士舘の鈴木 一朗の父親も野球が好きだということで、意識した名前のようだ。当然「イチロー」と呼ばれるが、国士舘の鈴木 一朗は、この名前を気に入っているという。

 もっとも国士舘の鈴木 一朗は、本職は二塁手で試合には守備固めで出ることが多く、代打は初めての経験だったという。「緊張しましたが、試合の流れを持ってこれて良かったです」と鈴木 一朗は語る。

 国士舘は長打をガンガン打って勝つようなチームではないだけに、ある面国士舘らしい勝ち方で1回戦を突破した。2回戦は19日に工学院大付と対戦する。