【親善試合 日本代表vsパラグアイ代表 2025年10月10日(金)19:24キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-…

【親善試合 日本代表vsパラグアイ代表 2025年10月10日(金)19:24キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)

■遠藤航の「不在」を埋めた佐野海舟

  長期離脱中の冨安健洋だけでなく、遠藤航、久保建英、三笘薫、板倉滉、高井幸大ら、前・中・後の中心選手に負傷者が続出している状況での代表期間となった日本。

 それでもなおチームのほとんどを海外組で構成できるほどになっていることは、現在の日本の競争力の高さを感じさせるが、実際に試合となると、進行の鍵となる選手たちの不在は響いた。

 遠藤がいない中でも、佐野海舟の高いデュエル力を核としたハイプレスと、鈴木淳之介や渡辺剛の対人守備の強さでボールを持つことが可能になった日本だが、なかなか前線で怖さを発揮することができない。

 特に久保が不在だった影響は大きく、伊東純也と中村敬斗の両ウイングバックは縦への推進力を発揮するものの、高い位置でシャドーと絡むことで生まれるチームとしての破壊力は鳴りを潜めた。

 そんな中、先制点はパラグアイのものに。後方でボールを回すパラグアイに対し、縦パスが出たところに寄せるべく様子を見る日本だったが、高いラインの裏をロングボール一本で取られてしまい、失点を喫した。

 すぐに小川航基の強烈なシュートがゴールとなり、時間をかけずに追いつくことができたものの、攻撃にもどかしさを抱えたまま、前半を終えた。

■韓国を5得点「完封」のブラジル戦へ

 後半も日本は最後のアイデアを欠き、シンプルなチャンスは作るものの、パラグアイに手堅く守られてしまう。64分には再びゴールを許し、追いかける展開となった。

 66分にはA代表デビューとなる斉藤光毅を左のシャドーの位置に投入したが、手堅いパラグアイに対してドリブル突破はかなわず、難しい時間が続いた。

 前線が活性化したのは、78分に相馬勇紀が左ウイングバックに入ってからだった。その前に斉藤がドリブルで前を目指すプレーを再三していたことで、相馬が高い位置で比較的自由にボールを持てるようになると、プラス方向のクロスやバイタルエリアでのギャップの利用でチャンスが生まれていく。

 粘るパラグアイをこじ開けるべく、89分には上田綺世もピッチへ。

 5分と表示されたアディショナルタイムの終わりが近づき、日本は前がかりになって猛攻を見せる。すると90+4分、跳ね返されたボールを拾った右サイドの伊東がクロスを入れると、ターゲットだった瀬古歩夢には合わなかったものの、流れてきたボールを上田が頭で合わせてゴールへ。

 土壇場で2-2とし、日本が引き分けに持ち込んだ。多数の不在選手がいる中で攻撃は難しいものになったが、佐野や渡辺、鈴木淳之介の守備での強度という良さは発揮された。

 次戦の相手は、同日の試合で韓国に5得点完封勝利をした王国・ブラジル。コアメンバーの中のさらにコアの部分を欠く中で、現在の日本の総合力が可視化される一戦になりそうだ。

■試合結果

日本代表 2-2 パラグアイ代表

■得点

21分 ミゲル・アルミロン(パラグアイ)

26分 小川航基(日本)

64分 ディエゴ・ゴメス(パラグアイ)

90+4分 上田綺世(日本)

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