いまだ来季去就が不透明な情勢となっている角田。その立場は海外メディアでも小さくない話題となっている(C)Getty Im…

いまだ来季去就が不透明な情勢となっている角田。その立場は海外メディアでも小さくない話題となっている(C)Getty Images

 いまだ成績が上向く気配を見せない角田裕毅(レッドブル)の立場は、よりシビアなものへと変化しつつある。

 今季限りでレッドブルと契約満了となる角田は、いまだ来季契約の見通しが立っていない。あくまで本人の目標は「残留」で、名門でのキャリア継続を望んでいるとされているが、コンストラクターズランキングで17位と後退する現状は芳しくない。

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 レッドブル陣営が最終的な評価を下すとされるメキシコGPまで残り2戦。アピールの機会も限られていき、よりプレッシャーが高まる中で、角田の“事実上の更迭”を断言する識者もいる。英公共放送『BBC』のポッドキャスト番組において「もはや問題は『いつ決断するか』であって、『しない』ではない」と語ったのは、サム・バード氏だ。

 フォーミュラEなどに参戦する名ドライバーは、角田の置かれた状況について「ツノダはチームメイト(マックス・フェルスタッペン)だけじゃなく、上位陣にも周回遅れにされた。だから、もう彼がその座を明け渡すのは時間の問題だ」と指摘。姉妹チームに属するハジャーとのシート交代、もしくは放出を予測した。

 もっとも、角田の不振は「本人だけの責任ではない」と見る向きもある。というのも、レッドブル首脳陣は、勝ちが計算できる絶対的エースであるフェルスタッペンを優先的に支援。新型パーツの導入などマシン改善を積極的に着手しているための、角田が後塵を拝しているのも事実だ。

 そうした内部事情をふまえて、「判断はつかない」と語るのは、F1ジャーナリストのスコット・ミッチェル=マルム氏だ。

 英メディア『F1 Oversteer』でミッチェル=マルム氏は、レッドブルのセカンドドライバーを“優遇しない”傾向がチームの不振の原因と説いている。

「あの(セルジオ・)ペレスだって、明らかにうまくやっていた。たとえ、我々外部から見ればひどい状況に見えても、内部ではかなり良くやっていた。もし、来年の初めからツノダに代わってハジャーが入ったとしても、9位から15位の間でフィニッシュし続けるなら、またしても、ほとんどポイントを獲得できないドライバーが加わったことになる」

 さらに「ツノダはお世辞にも良いシーズンとは言えないが、状況を踏まえて妥当だったのか、それとも完全な失敗だったのかの判断はつかない」と指摘するミッチェル=マルム氏は、こうも続けている。

「そもそもリアム・ローソンがレッドブルのドライバーとして2戦しか出場できなかったのに、ツノダだけを批判するのはやはり不公平だと思う。純粋な結果だけを見れば、大失敗かもしれないが、そこまで悲惨なシーズンではないようにも思うんだ。個人的には、彼が来年もレッドブルにいられるとは思わない。ただ、ツノダが見せた瞬間的な輝き、1周当たりの走りで、フェルスタッペンのチームメイトとしてはダニエル・リカルド以来、誰よりも迫った事実は明らかに良い兆候だった」

 果たして、角田は自身の希望をかなえられるのか。メキシコGPまでの残り僅かなアピールチャンスをモノにできるかが注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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