打撃内容で苦心する大谷。そのパフォーマンスの低下はドジャースにとっても小さくない話題となっている(C)Getty Ima…

打撃内容で苦心する大谷。そのパフォーマンスの低下はドジャースにとっても小さくない話題となっている(C)Getty Images

 文字通りの急ブレーキだ。今ポストシーズンにおける大谷翔平の打撃内容である。

 どうにも快音が聞こえてこない。今季のレギュラーシーズンで55本塁打、102打点、OPS1.014と打ちまくった大谷だが、ポストシーズンに入ってからは状況が一変。ワイルドカードシリーズから6戦で打率.148、1本塁打、OPS.603と数字は極端に低迷。フィリーズとの地区シリーズでは打率.056(18打数1安打)、0本塁打、OPS.206、9三振と散々な内容に終始した。

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 先頭打者の急失速は、打線のかみ合わせを考えてもドジャースにとっては“死活問題”になり得る。だからこそ、デーブ・ロバーツ監督からも「間違いなく打席内でのクオリティーを改善する必要がある」とシビアに注文をつけられている。

 ここまで大谷の状態は落ち込んでいる理由の一つとしてしきりに論じられているのが、左投手に対する対応。この点についてはロバーツ監督も「大部分は左投手との対戦が続いていたことが原因」と断言してもいる。

 だが、実際はより根深いところに課題があるとも言える。というのも、今季のレギュラーシーズンで大谷は対左投手に対して打率.279(222打数62安打)、15本塁打、OPS.898と上々の成績を記録。決して相性が「悪い」とは言えないのだ。

 ではなぜ打てないのか。MLB公式ネット局『MLB Network』でアナリストを務めるライアン・ローランド=スミス氏が説くのは、「ボールの見え方」だ。

 同局の番組『MLB Central』で、大谷をわずか1安打に抑えたフィリーズが幾度となく左投手の内角攻めを続けた場面を切り取ったローランド=スミス氏は、「今の状態を招いているのは、単に左対左の愛称の悪さだけじゃない」と断言。「一番気になるのは投手の腕の角度だ」と指摘した。

「実はオオタニは、腕の角度が38度よりも低い投手に対しての打率は.220しかない。一方で38度以上の投手には.317も打っているんだ。つまり角度が低い投手に明らかに苦戦しているんだ。単純にボールが見えていないんだと思う。四球率も決して高くない。だから、38度よりも低い投手を視覚的に捉えられてなくて、本当に苦手なんだと思う」

 投球が自身の背中方向から来るように見える変則気味の投手と対峙する中で、大谷はボールとの距離を測りながら捉えようとして、スイングの瞬間にオープンスタンス気味に対応。結果的に球筋の見極めが出来ずに凡打の山を築いてしまっているのかもしれない。

“異変”に悩む打者・大谷の奮起は、ドジャースのワールドシリーズ連覇の鍵にもなる。短期間での改善が求められる中で、最適解を見出せるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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