◇国内女子◇スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 最終日(12日)◇東名CC(静岡)◇3285yd(パー36)◇…
◇国内女子◇スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 最終日(12日)◇東名CC(静岡)◇3285yd(パー36)◇曇り(観衆3806人)
河本結にとって、2020年にルーキーとして乗り込んだ米ツアーは「自分がかなわなくて帰ってきた」舞台。同じ日本人として、いま海の向こうで活躍する選手を尊敬し、大きな刺激を受けている。だからこそ「この試合に勝てたことが本当にうれしい」。米ツアーメンバー5人が参戦したフィールドで、後続に3打差をつけての勝利は格別だった。
濃霧の影響により開始が4時間遅れ、最終ラウンドが9ホールに短縮されても動じない。毎週欠かさないメンタルトレーニングにより「メンタルで勝負している」自負もある。待機時間中は仮眠や「年に60冊が目標」という読書で過ごし、勝負に一切の「いらない気持ちや感情」を持ち込まない。フラットな状態なまま午後1時のティオフを迎え、4バーディ、ノーボギーの「32」をマーク。1打リードの単独首位から通算14アンダーに伸ばし、短期決戦を逃げ切った。
開幕前から「アメリカ組と一緒に戦えることに、すごいワクワクしていた」という。首位発進を決めた初日には、「優勝というよりも、どんなゴルフをするのかアメリカ組と回りたい。そのために頑張りました」と話したほどだ。
一方で「(米ツアーから)帰ってきた身として、JLPGA(国内女子ツアー)の意地を見せたかった」という思いも秘めていた。「私は生半可な気持ちで日本でプレーしているんじゃない。自分で示すためにも、この勝利は大きかった」。さまざまな気持ちを胸に開幕を迎え、3日間トップを守り切る自身初の“完全優勝”を成し遂げた。
今季2勝目で4位につけていた年間ポイントレース(メルセデスランキング)は3位に浮上し、トップの佐久間朱莉に487.2pt差まで詰め寄った。「年間女王になって、リコー(最終戦のツアー選手権リコーカップ)での優勝をすごく鮮明にイメージしている」と話す口調も力強い。
自分を含め、畑岡奈紗、渋野日向子ら国内ツアー世代別最多15人が優勝している1998年度生まれの “黄金世代”にあって、これまで年間女王はいない。「黄金世代も27歳。(女王を)狙っていますよ。いつも刺激をもらってばかりなので、逆に海外勢に与えたい」。日本から“恩返し”を果たしてみせる。(静岡県裾野市/塚田達也)