井口資仁氏は2008年に延長22回、6時間16分を経験した MLBの地区シリーズで連日の熱戦が展開された。9日(日本時間…

井口資仁氏は2008年に延長22回、6時間16分を経験した

 MLBの地区シリーズで連日の熱戦が展開された。9日(日本時間10日)のドジャース―フィリーズの第4戦、10日(同11日)のマーリンズ―タイガースの第5戦は延長戦までもつれた末に、優勝決定シリーズ進出球団が決まった。パドレス時代に延長22回の試合を経験した井口資仁氏が、ポッドキャスト番組「Full-Count LABー探求のカケラー」で当時を回顧。驚きのベンチ裏の話を明かした。

「私たちのときはエンドレスだったので……」

 メジャーでは現在、レギュラーシーズンはタイブレーク制が導入されているが当時は採用されていなかった。井口氏は2008年4月17日(同18日)の本拠地でのロッキーズ戦に「2番・二塁」で先発出場。0-0のまま延長戦に突入し、14回に1点ずつを奪い、最終的には22回に1点を勝ち越されると、そのまま逃げ切られて1-2で敗れた。6時間16分の死闘で、フル出場した井口氏は7打数無安打、2四球だった。

「交代した選手は後ろでビールを飲みながら、毎イニングよし行くぞとかいって乾杯していましたからね。(試合に)出ているプレーヤーとしては“何なんだ”と」

 ベンチ裏ではまさかの光景が繰り広げられていたわけでだが、試合が長引くことで「もう試合を決める選手が出てないので、全然終わらないんですよ」と苦笑した。日頃は不安定な投球内容が多い投手が登板しても「そういう時だけ打たれないんですよ。全然試合が終わんない」と明かした。

 それでも「これはしょうがないですね」と割り切ってプレーを続けた。試合が終了したのは翌日の午前1時21分。チームはそのままアリゾナに移動し、ダイヤモンドバックス戦に臨んだ。「その日はさすがに休養をもらいました」。“疲労困憊”のチームは3安打に抑えられ0-7で完敗した。「いい経験をさせてもらいましたね」。井口氏の長いキャリアの中でも忘れられない一戦となっている。(Full-Count編集部)