◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 事前(8日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd…
◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 事前(8日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)
横浜に怪物が現れたハナシには続きがあった。それは火曜日の練習日のこと。PGAツアーの飛距離ランキング1位の平均327yd飛ばすアルドリッチ・ポットギーター(南アフリカ)の周りに黒山の人だかりができていたことには触れた。実はその人だかりの中に、ツアーの第一線で活躍する女子プロたちがいたのだ。
坂詰和久コーチに引率されてやってきた、渡邉彩香、神谷そら、高木優奈といった面々。渡邉や神谷はご存じ日本が誇る飛ばし屋。渡邉は「グリップも似ているし、フェードヒッターだし、とても参考になります」とポットギーターのスイングを食い入るように見ていた。
そして、JLPGAのドライビングディスタンス目下1位の神谷そら(平均262.35yd)は、南アの若者を見て「笑顔がかわいい」とひとこと。ん?スイングを見ているんじゃないの(笑)?冗談を言いつつも、神谷の目は真剣そのもの。「ちょっとケタ違いだからなかなか自分に落とし込めるか分からないですが…」と、飛球線の真後ろからそのスイングをマジマジと観察していた。
その後、神谷が気になったことを、通訳を介する形で、練習後のポットギーターに突撃取材してもらった。“神谷記者”の質問は二つ。一つは「アライメントの取り方」だ。「フェードヒッターなので左を向いてアライメントを取るのは分かるのですが、ギーターはけっこう左を向いているように見える」(神谷)と指摘。「意図的に左を向いて意図的に球を曲げているのか、それともナチュラルに振ると球がフェードするので、左を広く取るようなアライメントしているのかが知りたいです」と同じフェードヒッターだからか、疑問の内容は細かい。すると、ポットギーターは「目標よりは左を向いているけど、わざとフェードさせているわけではなくナチュラルに振ってフェードしているんだ」と後者の答えが返ってきた。
神谷も今は自分のスイングに対してナチュラルに出るフェードに戻して好調を維持しているから、ポットギーターの返答に納得した面持ちだった。
もう一つの質問は「飛ばすコツ」。神谷にさらなる飛距離は必要ないんじゃないかという突っ込みはさておき、「体全体を使って自分の体重のパワーをボールにぶつけることが大事。右に体重を乗せて左に体重を乗せて体重移動をして、そのあと足を使って地面反力をさらにスピードにつなげるのがいいよ」とこちらもポットギーターは快くアドバイスをくれた。
まさに日米の怪物の競演。飛ばしのエキスがたっぷり詰まった会話の応酬だった。神谷がこれ以上飛んだら、困るプロがいっぱいいるだろうな…。(横浜市保土ヶ谷区/服部謙二郎)