「やることは変わらない」日本で見せたネビンの適応力 前年91敗を喫した西武は再建の年として2025年シーズンを迎え、63…
「やることは変わらない」日本で見せたネビンの適応力
前年91敗を喫した西武は再建の年として2025年シーズンを迎え、63勝77敗3分で全日程を終了した。負け越しながらも若手の台頭が光り、前半戦には貯金をつくるなど、復活への兆しを見せた。その中で存在感を放ったのが新助っ人のタイラー・ネビン外野手である。今回は来日1年目を振り返り、適応と成長の裏側を聞いた。
「新しい環境は自分にとっても新鮮であり、楽しかったです」
ネビンは日本でプレーすることを選び、2月のキャンプインから始動した。多くの外国人選手にとって課題となる“日本野球への適応”について、「『日本で野球をやる』という感じではなく、『やることは変わらない』と意識して春のキャンプからやっていました」と語る。
日本の投手陣に対しては「一番は攻め方。配球などの面も含めてかなり違う」と話す。その対策として臨んだオープン戦では「どんなボールを投げるのか、球場の雰囲気も見られたのが大きかった。感覚を磨いて意外と早くアジャストできた部分もありました」と手応えを口にした。実際、オープン戦では打率.351と結果を残した。
シーズンに入ると、5月には打率.292、4本塁打17打点で月間MVPを獲得。6月、7月も打率3割を超え、打線をけん引した。「調整しなきゃいけないところ、忍耐力が必要な部分ももちろんありましたが、そういうところを耐えながら調整して、ここまで来られたのは非常に良かったと思っています」と振り返る。
インタビュー前日の9月28日には20号を放ち、「19よりは20のほうが見栄えがいい」と笑顔を見せた。その日のうちに21号をマークし、最終的に137試合で打率.277、21本塁打63打点と安定した成績を残した。
「ホームランを打とうとしているわけではなく、しっかりボールを強く打とう、ライナーを打とうという意識の結果が、ああいう結果を生み出してくれているのかなと思います。それは引き続き続けたいです」
バッティングへの姿勢は一貫しており、冷静に自身のスタイルを貫いた1年だった。
「日本人はすごくフレンドリー」仲間と築いた信頼関係
「ライオンズの全員、チームメート全員が温かく迎え入れてくれて、自分が環境に慣れやすいように接してくれました」
そう語るネビンは、チームメートへの感謝を何度も口にした。来日前にはDeNAのタイラー・オースティン内野手から日本での準備や生活の流れについて助言を受けたという。さらに、「春のキャンプからどういう流れかを教えてくれた」と、特に仲が良い平沼翔太内野手の存在を挙げた。
「今もずっと仲良くしています。球場の外でも一緒にご飯へ行ったりする仲なので、非常に良い関係を築けていると思います」
また、楽天のルーク・ボイト内野手とは「父がヤンキースでコーチをしていたというつながりがあった」と話す。試合前に談笑する姿もしばしば見られ、「英語が喋れる人がいれば、どうしてもコミュニケーションを取りたくなってしまいます。お互い良い刺激になっていますし、情報を交換したり、非常に良い時間を過ごしています」と笑顔で語った。
最近はたい焼きにハマっているというネビン。「日本人はすごくフレンドリー。違う国から来た人にも優しい。買い物に行ったとき、何も分からない状況でも助けてくれたりしますし、そういう日本人の優しさというのは感じています」と、日本での生活を楽しんでいる様子を見せた。
異国での挑戦の中でも、変わらぬ意識と人とのつながりが支えとなったネビン。西武の未来を支える新たな柱として、2年目の飛躍にも期待がかかる。（「パ・リーグ インサイト」丹羽海凪）
（記事提供：パ・リーグ インサイト）
