ロバンペラは自身の可能性を信じて新たな道に進む(C)Getty Images トヨタ自動車のモータースポーツ活動を展開す…

ロバンペラは自身の可能性を信じて新たな道に進む(C)Getty Images

 トヨタ自動車のモータースポーツ活動を展開するトヨタガズーレーシング(TGR)は10月9日、トヨタで2度世界ラリー選手権(WRC)のチャンピオンに輝いた25歳のカッレ・ロバンペラ(フィンランド)がラリーから引退し、新たにサーキットレースに転身すると発表した。来季はTGRのサポートを得て全日本選手権スーパーフォーミュラに参戦する。将来的にはF1へ進むルートを模索する見通しだ。

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 F1出身のキミ・ライコネンやヘイキ・コバライネンらが本格的にWRCに参戦した例はあるが、逆にWRC王者がF1を目指すのは異例だ。WRCのタイトル経験者がサーキットレースへ挑んだ例としては世界ツーリングカー選手権やルマン24時間レースに参戦したことはあるが、フォーミュラカーレースへは進まなかった。

 ロバンペラは2017年にWRCにデビュー。20年にトヨタのワークスチーム入りを果たし、22、23年と2年連続でシリーズチャンピオンを獲得した。ラリー以外の興味を抱き、日本発祥のドリフト競技へも参戦。23年5月にはエビスサーキット(福島)で行われたフォーミュラ・ドリフト・ジャパン第2戦にスポット参戦し、勝利を挙げた。

 ロバンペラは「今回の決断は簡単ではなかったが、この年齢で、すでにラリーで多くの成果を出し、自分には他にどのような可能性があるのか、どんな新しい挑戦をしたいのかを考えるようになった。難しい決断だったが、次の夢や挑戦を追いかけることは正しい選択だと感じている。この新しい挑戦の最初からTGRのサポートを受けられること、そしてスーパーフォーミュラでレースができることは特別なこと」とコメントした。

 トヨタにも選手育成プログラムがあるが、分野別にきめが細かく、サーキットレース出身の勝田貴元もラリープログラムを経てWRCのトップ選手となった。幸いにもトヨタはF1のハースチームと技術提携しており、トヨタ系選手の受け皿はある。

 ロバンペラがどのようにスーパーフォーミュラに適応していくか今後の参戦プロジェクトの詳細は公表されていないが、いきなりビッグフォーミュラに打って出るのは相当なギャンブルでもある。

 今季もWRCにフル参戦しているが、残り3戦となってトヨタでチームメートのセバスチャン・オジエ(フランス)、エルフィン・エバンス(英国)と大接戦でタイトル争いを繰り広げており、自身の3度目のワールドタイトルを手にして華麗な大転身に華を添えたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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