池山新監督が就任会見を行った(C)TsutomuBEPPU/CoCoKARAnext 「池山スワローズ」でチーム再建を目…

池山新監督が就任会見を行った(C)TsutomuBEPPU/CoCoKARAnext

 「池山スワローズ」でチーム再建を目指す。ヤクルトは10月9日、来季の新監督に池山隆寛2軍監督の就任を発表。10日に都内で就任会見が行われた。

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 池山新監督は「緊張とめちゃめちゃ嬉しい気持ちでいっぱいです」と述べ、「2軍監督をしながら1軍も見ていた。同じようにたくさん負けた。上を向くしかない。ヤクルト球団にお世話になった。恩返しのチャンスをいただいた」と力強くコメントした。

 現役時代はヤクルト一筋19年間で球団2位の通算304本塁打を放ち、「ブンブン丸」と呼ばれた豪快なスイングで球場を湧かせ、遊撃では華麗な守備でファンを魅了した池山新監督は、今季まで6年間2軍監督を務め、若手選手の特長を熟知。信頼関係を築いてきた。

 今季、1軍でキャリアハイの103試合に出場し、目標としていたシーズン100試合出場を果たした赤羽由紘も、池山新監督が育てた選手のひとりだ。

 赤羽は「僕が育成で入ったときから池山さんだった。外野をやり始めたのも監督(池山2軍監督)の助言。感謝の気持ちがあります」と、内外野を守れるユーティリティとしての礎をつくってくれた池山新監督へ感謝の思いを口にしていた。その赤羽は来季、池山新監督のもとでさらなる飛躍が期待される。

 2025年は苦難のシーズンとなった。4番の村上宗隆が上半身のコンディション不良で開幕から不在。村上の存在の大きさを痛感するシーズンでもあったが、その村上が今オフにポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ挑戦を表明しており、「ポスト村上」の育成が必要になる。

 来季、4番は誰が務めるのか。今季は内山壮真が規定打席に到達し、打率.262、8本塁打、48打点を記録した。クリーンアップで主に3番を任せられたが、その内山も候補のひとりとして考えられる。

 また、ファームでは4番も務め、本塁打王にも輝いた澤井廉も候補となる。池山新監督も澤井のパワーには魅力を感じており、「『村上2世』になってもらいたい」という期待を込めた逸材。来季、大きな飛躍を遂げることができるか注目だ。

 他にもシーズン後半に頭角を現した北村恵吾もおり、文字通り村上が抜けると空くことになる三塁のポジションを奪い獲れれば、4番に座る可能性は十分にある。

 23日に行われるドラフト会議でも未来の4番候補を獲得できる可能性がある。アマ球界屈指のスラッガーとして呼び声が高い立石正広内野手(創価大)が1位候補に挙げられる。右の長距離砲として立石を獲得できれば、スワローズの未来を大きく変えることができるかもしれない。

 求められる「4番」の育成――。背番号「1」を背負い、「ミスタースワローズ」として輝きを放ってきた池山新監督が、チームの新たな主軸を育て上げる。

[文:別府勉]

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