FIFAワールドカップ2026出場国紹介 パラグアイ 来年、北中米で行なわれるFIFAワールドカップ2026の出場国を紹…

FIFAワールドカップ2026出場国紹介 パラグアイ

 来年、北中米で行なわれるFIFAワールドカップ2026の出場国を紹介。今回は10月10日に日本が親善試合で対戦するパラグアイだ。

【2010年南アフリカ大会以来の出場】

 FIFAワールドカップ2026南米予選で6位となったパラグアイは、4大会ぶり9回目の本大会出場を決めた。最後に出場したのは2010年の南アフリカ大会。ラウンド16で日本と対戦し、PK戦の末に勝ち上がったことを覚えている日本のサッカーファンも多いことだろう。同大会のベスト8がパラグアイ史上最高の成績となっている。


南米予選6位で本大会出場を決めたパラグアイ

 photo by Getty Images

 2023年9月から始まった今大会の予選は、パラグアイにとって厳しいスタートとなった。開幕のペルー戦をホームで引き分けると、第6節まで1勝2分3敗と7位。6試合で3失点と守備は強固な一方で、得点はわずか1と攻撃面は深刻だった。

 2024年6月に開催されたコパ・アメリカでは、グループリーグ3戦全敗で敗退。自慢の堅守も8失点と崩壊した。大会後、パラグアイは監督交代を決断。同年8月15日に、コパ・アメリカでコスタリカを率いたグスタボ・アルファロの監督就任を発表した。

 アルゼンチン人のグスタボ・アルファロは、ボカ・ジュニアーズやアルセナル・サランディなど、国内クラブを中心に実績を残し、代表はエクアドルとコスタリカを率いてきた。カタール大会の南米予選では、エクアドルを4位に引き上げて本大会へ導いている。

 アルファロ監督は堅守速攻スタイルのリアリスト。そんな新監督によってパラグアイは堅守を取り戻した。2024年の予選6試合を3勝3分0敗と無敗で切り抜け、ホームではブラジル(1-0)とアルゼンチン(2-1)を破る金星を挙げた。

 2025年もチリに1-0、コロンビアに2-2、ウルグアイに2-0と着実に勝ち点を積み重ねていった。アウェーで臨んだ第16節ブラジル戦は0-1と惜敗したが、ホームで迎えた第17節エクアドル戦に0-0で引き分け、最終節を残して6位以内を確定させて本大会出場権を獲得した。

【堅守をベースに、前線のタレントを生かす】



 パラグアイのサッカースタイルと言えば、伝統的な堅守である。南ア大会でも日本はその堅守をこじ開けることができず、PK戦によって敗れた。今予選でも18試合で10失点と、1位通過したアルゼンチンと並んで2番目に少ない失点数で、10試合のクリーンシート(無失点)を達成した。一方で得点は14得点と、6位内で最も少ない数字。少ないチャンスをものにし、固く守りきる堅守速攻は、今大会でも健在だ。

 その堅守を支えるのは、今季からプレミアリーグに昇格したサンダーランドでプレーするセンターバックのオマル・アルデレーテ。今予選では14試合に出場し、対人守備の強さと強烈なリーダーシップで守備ラインをまとめ上げる。

 攻撃のタレントと言えば、今季ブライトンからリーグアンのストラスブールへ移籍したフリオ・エンシソ。今予選ではケガによって10試合の出場にとどまったが、スピードとテクニックに溢れ、パラグアイの前線で違いを生み出せる若きスターだ(10月の招集はなし)。

 そして、今予選で4得点を挙げてチームトップスコアラーのアントニオ・サナブリアも注目だ。バルセロナのカンテラ出身のストライカーで、ボックス内で強さを発揮する。第11節アルゼンチン戦で、逆転勝利への口火を切ったバイシクルシュートの同点弾は鮮烈だった。

 今大会も堅守をベースに、前線のタレントを生かした鋭いカウンターでゴールに襲いかかり、前回大会のベスト8越えを狙う。



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