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 10月9日、島田慎二氏(JBA会長/Bリーグチェアマン)のポッドキャスト番組『島田のマイク』第257回が配信。『りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON TIPOFFカンファレンス』の会場にて収録が行われ、宇都直輝(富山グラウジーズ)と今村佳太(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)が登場し、Bリーグ10年の歩みとそれぞれの成長の軌跡、そして近況を語った。

■苦難を乗り越えた宇都、B1復帰への執念


 設立当初からBリーグを見続けてきた宇都直輝は、ここまでの変化について「リーグ全体もそうですし、本当にバスケ界として発展した。選手にとっても(環境が)良くなった」と実感を述べた。

 昨シーズン、富山は宇都の活躍もありB2からB1への復帰を果たした。島田氏が「(昨シーズンは)鬼の形相というか”絶対上げてやる感”が出まくってた」と振り返ると、宇都は「正直もう絶対1年で(B1に)帰ってきてやると」「(チームの中でも)ダントツで僕が1番思ってた」と負けず嫌いを自負し、当時の心境を吐露した。

「チームとしては(2026年秋からの)Bプレミア参入は決まっている段階なので、今年仮にB2だったとしてもそこには行ける状態ではありましたけど、でも、そうじゃないと。この時にB1に戻ることが、この1年をB1でやることがすごく重要だと思ってました」

 島田氏はその勝ち気な姿勢について「絶対負けたくないというメンタリティ、これは大事よね。Bリーグにも必要よね」と評価。宇都は「リーグがこれからもっともっと大きくなる、それこそ日本代表の選手たちがもっともっと強くなるためにも、そういう気持ちというのは絶対に大事かなと思います」と、対戦相手へのリスペクトを持ちながらも常に勝利への執念を持つことの重要性を説いた。

 今シーズンの富山は外国籍選手などの入れ替えがあったものの、昨シーズン滋賀レイクスで得点王を獲得したブロック・モータムの加入などで、ダビー・ゴメスHCが目指すチームの雰囲気を形作れているという。宇都はファンに向けて「応援されるからには応援していただけるようなチームにならなきゃいけない。そういったところを心掛けながらしっかり戦っていくので、引き続き応援よろしくお願いします」と、今シーズンの意気込みを伝えた。

■今村が語るBリーグ・ユナイテッド経験の価値


 今村佳太は、まず開幕直前に行われた『AICHI CENTRAL CUP 2025』を振り返り、「(4チーム中3位という)少し悔しい思いをしたんですけど。それからチームとしての課題だったり、良かったところも含めて、色々出せたかなという試合ではあったので。今すごくいい感じに、自分たちが向かうべき方向に向かってる」とチーム状況を報告した。

 島田氏は今村が参加した、若手選手ら中心にB.LEAGUE選抜チーム『B.LEAGUE UNITED』の活動をピックアップ。今村は「まずはもう本当に経験させていただいて感謝しかないというか、この企画に参加できてよかったなというのが、まず率直的な僕の感想」と前置きし、チームメンバーが事前発表から様変わりしたことで起きた議論なども踏まえて、「色々問題はあったかと思います。だけど選手からしたら、全選手が参加したいと思えるようなものなんじゃないかなって僕は思ってる」「一過性のものではなく、常にやっていただけると、もっと選手の幅も広がっていくし、将来も明るいものになるんじゃないかな」と取り組みそのものの価値を強調した。

 オーストラリアリーグNBL選抜を日本に迎え、さらにアメリカでGリーグのチームと対戦した経験によって、今村はマインドが変わったと続ける。特に印象的だったのは、相手選手のハングリー精神だという。「(Gリーグの選手は)将来が決まっていない選手たちが多い中で、(その状況だからこそ持ちえる)ハングリー精神を出してくれたので、僕たちとしてはすごいありがたい期間だった」と今村。島田氏も「(Gリーグにいる選手は)プレイヤーとしてのすごさだけではなく、ハングリーさを感じるというか。学ぶとこありますよね」と共感を示した。

 この経験はチームに戻ってからの練習姿勢にも影響を与え、全体練習での取り組み方が変わり、常に練習で出し切ることを意識するようになったという。「満足してしまったら終わり」だと彼らの姿勢から学んだと今村は語る。また新たなホームコートとなるIGアリーナを満員にしていくためにも、結果で応えていきたいと今シーズンのファンへの決意を示した。

 今回のエピソードでは、Bリーグ開幕10年目の節目を迎えたBリーグの今後の盛り上げや日本代表の強化など、島田氏から展望についても語られた。

【番組を聴く】B1復帰の宇都、世界と闘った今村に島田慎二氏が聞く”10年目の成長”