「米国の競馬の祭典」ブリーダーズカップが約1カ月後に迫ってきた。そこで思い出される1頭が、21年のBCディスタフを制…

 「米国の競馬の祭典」ブリーダーズカップが約1カ月後に迫ってきた。そこで思い出される1頭が、21年のBCディスタフを制し、日本調教馬として初めてダートのブリーダーズカップを制覇したマルシュロレーヌ。今回はそんな彼女が重賞初制覇を果たした20年のレディスプレリュードを振り返りたい。

 マルシュロレーヌは父オルフェーヴル、母ヴィートマルシェ、母の父フレンチデピュティの血統。きょうだいには活躍馬が並び、祖母のキョウエイマーチは97年の桜花賞馬という良血だった。

 19年2月にデビュー。一貫して芝を走り、5戦目で初勝利を挙げた。その後も芝でキャリアを重ねて2勝を加えたものの、3勝クラスで壁に当たる。そんな中、転機は4歳秋に訪れた。初ダートとなった桜島Sを圧巻の末脚で差し切って待望のオープン入り。勢いに乗って、牝馬限定の交流ダート重賞であるレディスプレリュードに駒を進めた。

 単勝2.3倍の1番人気に推された一戦、マルシュロレーヌは圧倒的な走りを見せた。道中は中団前寄りで運び、4角で先団を射程圏に捉える。迎えた直線、川田将雅騎手のゴーサインに応えて脚を伸ばすと、粘り込みを図るマドラスチェックをあっさり交わして先頭へ。そのまま突き放して3馬身差の圧勝を収めたのだった。

 その後もタイトルを重ねたマルシュロレーヌは翌年秋、米国で歴史的偉業を成し遂げることとなる。その足掛かりとなった一戦として、このレースが持つ意味も大きかったといえるはずだ。