母の母国である韓国で代表選手となったカストロップ(C)Getty Images「アジアの虎」(韓国代表の愛称)の一員とな…

母の母国である韓国で代表選手となったカストロップ(C)Getty Images
「アジアの虎」(韓国代表の愛称)の一員となったドイツ生まれの若武者が投じた“疑問”が衝撃を生んでいる。
去る9月29日、韓国代表はパラグアイ代表とブラジル代表と対戦する親善試合のメンバーを発表。9月に続いて、ドイツ人の父と韓国人の母を持つイェンス・カストロップを招集した。
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今年9月のアメリカ代表戦で韓国代表デビューを飾った22歳は、ブンデスリーガの名門ボルシアMGに在籍し、ドイツU-21代表としての出場歴を持つ逸材。「本人に韓国代表入りへの強い意志があった」(ホン・ミョンボ監督談)と、母の生まれた土地でのプレーを選んだ。
韓国男子サッカー史上初となる「海外出生のA代表選手」ともなったカストロップ。しかし、生まれも育ちもドイツである彼にとって、韓国文化に違和感もあるようだ。ドイツの日刊紙『Kicker』の取材に応じた22歳は、「韓国語は構造も文字も違うから、まだ韓国語を話す人の話は理解できていない」と明かした上で、こう漏らしている。
「ドイツとはロッカールームとかでも文化は違う。韓国は全員礼儀が正しいんだ。みんな、挨拶するときは頭を下げるし、年齢による序列が明確にある感じがする。目上の人に対して尊重する気持ちが非常に大きいんだ。若手選手はエレベーターに最後に乗るし、食後には(年上の)他の選手にフルーツを運ぶ。そして、全員が食べ終わるまでテーブルを離れることもない」
この上下関係を重んじる文化に対する証言が韓国国内で物議を醸した。スポーツメディア『OSEN』は、「カストロップの言葉は、単純な文化の違いを説明するものだったが、国内では論争が起きている」と指摘。一部のファンから昔ながらの年功序列文化に対して「代表内でまだ階級文化が残っていること自体が衝撃だ」「同じ選手として対等な立場なのに、なぜ若手が果物を持って行かなければならないのか」「不条理はいい加減になくすべき」と異論を投げかけられていることを伝えた。
ニューカマーが何気なく語った異文化論。その発言の余波はしばらく続きそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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