トライネンは一死も奪えず、降板した(C)Getty Images ドジャースは現地時間10月6日、敵地で行われたフィリー…

トライネンは一死も奪えず、降板した(C)Getty Images
ドジャースは現地時間10月6日、敵地で行われたフィリーズとの地区シリーズ第2戦に4-3と勝利。2連勝でリーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。
【動画】これぞクローザー!佐々木朗希がしびれる場面で見事に抑えたシーン
先発のブレーク・スネルが6回1安打無失点9奪三振と好投。打線も7回二死満塁から途中出場となったウィル・スミスの2点タイムリー、大谷翔平にもタイムリーが飛び出すなど4-1とリードを拡げ、9回を迎えた。
そして3点差で迎えた中、ベンチが投入したのはブレーク・トライネンだった。
レギュラーシーズン終盤に不安定なパフォーマンスが続いていた救援右腕をここで送り込んだが、先頭のアレク・ボームに中前打、続くJ.T.リアルミュートに左翼線へ二塁打を浴び、無死二、三塁のピンチを迎える。
さらにニック・カステラノスにも左翼線へ2点二塁適時打を許し、3-4と3連打であっという間に2点を失った。
無死二塁からアレックス・ベシアにスイッチ、さらに9回二死一、三塁と緊迫の場面で佐々木朗希を投入。1点差というプレッシャーのかかる場面だったが、佐々木はナ・リーグ首位打者のトレイ・ターナーに対し、初球をスプリット、2球目に力強い内角直球で二ゴロに仕留め、ゲームセット。緊迫の場面を2球でしっかり火消しと大役を務め、佐々木の顔にもホッとした表情が浮かんだ。
一方、トライネンの9回起用に関しては試合後にデーブ・ロバーツ監督も右腕がポストシーズンに入ってもしっかり投げてきたことから決断したと説明したが、トライネンの9月は13試合に登板、2勝5敗、防御率8.71と不調だったこともあり、今回の起用には厳しい見方も示されている。
米メディア『Dodgers Way』ではこの試合の内容をリポート。「ドジャースのブルペンは間違いなくポストシーズンに向けてLAの最大の弱点」とした上で、9回の起用に目を向けた。
9回から登板、3連打で2失点となったトライネンに関して「世界中のドジャースファンの敵に変わった」と表現。逆に二死一、三塁で投入、わずか2球で火消しの圧巻投球を示した佐々木朗希に関して「基本的にドジャースのクローザーになった」とした。
一部救援陣の乱調であわや逆転も心配されたシーンについて「ドジャースは歯を食いしばってその試合を勝ち抜いたが」「LAのファンはいつかこのようなことが起こることを知っていた」とも記す。
今回のスクランブルに関しては「ほとんどの責任はタナー・スコットにある」と同じく不振からクローザーを外されたスコットに大きな要因があるとしながら、今回起用されたトライネンも現地時間9月6日に行われたオリオールズ戦で山本由伸が9回二死までノーヒットノーランの好投を続けながらジャクソン・ホリデーからソロ本塁打を喫し、記録は途絶えたものの、その後を継いだトライネン、スコットの乱調で敗戦となったことを指摘。「ボルチモアでヨシノブ・ヤマモトのノーヒットノーランを敗戦に変えたのはトライネンであることを忘れてはならない」とも記事中では糾弾している。
今回は薄氷の勝利をもぎ取り「ドジャースは今回は幸運に恵まれただけだが、常にそうとは限らない」と今後の起用には不安を残すとしながら、最後は「ロバーツがトライネンをNLCSのロースター候補から外さなければ、ファンから絶対的な非難を受けることになるだろう」と結んでいる。
地区シリーズを勝ち上がり、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(通称NLCS、最大7試合、4戦先勝)に駒を進めた場合にはロースターから外すべきと記事では主張している。
シーズン中も悩みの種だったブルペン不安はポストシーズンにおいても解消されず、そんな中、佐々木の快投がひときわ輝きを放っている。ロバーツ監督は日増しに高まる存在感を認めながらも佐々木に関して「9回だけに固定するような使い方はしたくない」とあくまで流動的としている。
現地時間8日にド軍の本拠地ドジャースタジアムで行われる第3戦はエース・山本の登板試合ともなる。今後も世界一連覇を目指すド軍の投手運用をめぐって、注目を集めていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「できたら、イニングの最初から投球させてあげたかった」またも繰り返されたド軍の"謎采配"にNHK解説も疑問、9回トライネン投入で3連打2失点、最後は佐々木が締める
【関連記事】「ササキはクローザーだ」ドタバタ継投のド軍を救った! 佐々木朗希が見せた貫禄の“火消し”に米熱狂「もう他に選択肢はない」
【関連記事】「112億円男」が佐々木朗希へ“最高の褒め言葉” 残りのポストシーズンで「クローザーとして起用される可能性」米メディア