■スタメン変更に込められた狙い【J2リーグ第32節 10月4日 14時00分キックオフ 千葉 0ー2 長崎 フクダ電子ア…

■スタメン変更に込められた狙い

【J2リーグ第32節 10月4日 14時00分キックオフ 千葉 0ー2 長崎 フクダ電子アリーナ】

 大一番を制して、一歩前に出た。

 J2リーグ第32節が10月4、5日に行なわれ、2位のV・ファーレン長崎は4日、3位のジェフユナイテッド千葉のホームに乗り込んだ。長崎はこのカード4連勝中で、敵地フクアリでは3連勝中だ。

 長崎は高木琢也監督が就任した20節から、8勝4分の負けなしで勝点を重ねてきた。ただ、直近2試合はJ3降格圏のカターレ富山、ボトムハーフで苦戦するブラウブリッツ秋田と引分けている。富山戦は1対1、秋田戦はスコアレスと、リーグ最多の得点を記録中の攻撃陣が本来の姿を見せていない。

 この日は前2試合出場のなかったMF澤田崇が、3-4-2-1の左シャドーで3試合ぶりに先発した。このポジションはドリブル突破が得意なブラジル人MFエメルソン、攻撃で違いを生み出せるMF松本天夢らも選択肢となるが、高木監督は34歳のベテランを起用した。その理由のひとつは、澤田の献身性にあっただろう。

 試合開始前の時点で、長崎の勝点は56、千葉は勝点55である。ホームの千葉は勝点3を狙って、キックオフとともにパワーを注いでくると想定される。そこで、守備時は3バックから5バックとなり、ダブルボランチの山口蛍とディエゴ・ピトゥカに加えて澤田が2列目でブロックを形成することで、高木監督は守備の安定をはかろうとしたのだろう。監督交代とともに出場機会を増やした澤田は、ディフェンスのタスクを果たしながら前線へ飛び出していける。

 千葉はサイドからの崩しに特徴があり、澤田の左サイドからゴールへ迫られた場面もあった。それでも、左ウイングバックの米田隼也と連携し、ボランチとも関係を築きながら千葉の攻撃に対応していった。指揮官の選手起用は奏功したと言える。

■GK後藤が何度も決定機を阻止

 この試合で最初に相手ゴールへ迫ったのは、長崎ではなく千葉だった。8分、4-4-2の左MF椿直起がドリブルでペナルティエリア内まで持ち込み、カットインからニアサイドを狙ってきた。

 ここで、GK後藤雅明が立ちはだかる。至近距離からのシュートを、俊敏な反応で弾き出した。

 31歳の長崎の背番号21は、その後も決定機なシーンを阻止していく。千葉は守備時に5-4-1へ可変し、守から攻への切り替わりでは右サイドのイサカ・ゼインよりスタートポジションの高い左サイドの椿へボールを供給してきた。1本のパスで椿を走らせる場面が何度もあった。それに対して長崎は、3バックのスライドが追いつかず、1対1で持ち込まれたり、クロスを許したりする場面が続いた。とくに前半は1対1の局面で後手にまわることがを多かったのだが、GK後藤が効果的なプレーを見せていった。

 1対0とリードした直後の40分には、千葉の左CKの流れからヘディングシュートを浴びる。ここも、冷静に対処した。後半開始直後の48分にも、目前でコースを変えられたヘッドをギリギリで防いだ。

 長崎は最終的に、2対0で勝利をつかむ。前半のピンチで千葉に先制点を許さず、1対0とリードしたあとも危機を救ったGK後藤は、勝利の立役者にあげられるだろう。

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