<令和7年度秋季京都府高等学校野球大会:龍谷大平安9-2鳥羽(7回コールド)>◇5日◇準決勝◇わかさスタジアム京都 龍谷…
<令和7年度秋季京都府高等学校野球大会:龍谷大平安9-2鳥羽(7回コールド)>◇5日◇準決勝◇わかさスタジアム京都
龍谷大平安が今夏準優勝の鳥羽に7回コールド勝ち。2年連続の近畿大会出場を決めた。
終わってみれば大勝だった龍谷大平安だが、前半は苦戦を強いられる。「最初の1、2回はちょっと緊張がほぐれなくて」とエースの中元 天翔投手(2年)が1、2回に1点ずつ献上。打線も鳥羽の先発・谷内 盛悟投手(2年)の前に4回まで無安打に抑えられた。
その中でも3回から落ち着きを取り戻した中元が守りから流れを作る。ストレートの球速は130キロ前後と決して速いわけではないが、スライダーやシンカーなどを駆使した巧みな投球で相手打者を手玉に取った。
緩急を使う左腕の谷内を前になかなか攻略の糸口を掴めなかった打線だが、5回裏に6番・西野 光喜外野手(2年)のバントヒットで待望のチーム初安打が飛び出すと、二死三塁から8番・石家 幸宗内野手(2年)が詰まりながらも遊撃への適時内野安打を放ち、ついに1点を返した。
これで流れは一気に龍谷大平安へ。6回裏には連続バントヒットなどで無死満塁のチャンスを作り、4番の鞍本 蓮内野手(2年)を打席に迎える。「1点は絶対、良ければランナーを2、3人還したいと思っていました」と2ボールからのスライダーを捉えた打球は右翼手の頭上を越える3点適時二塁打となり、龍谷大平安が逆転に成功した。
さらに龍谷大平安は主将の7番・西岡 賢伸捕手(2年)の左前2点適時打で追加点を挙げる。7回にも2点を加えると、最後は一死二塁から西岡が左越え適時二塁打を放ち、コールド勝ちを決めた。
「ホッとしました」と率直な気持ちを語った川口 知哉監督。初戦から京都国際と当たる厳しい戦いを勝ち抜き、決勝進出を果たした。
最大の持ち味は5試合で無失策の守備力。「自分たちは守りを意識しているので、この京都大会をノーエラーで次に行きたいです」と西岡は言う。
この堅守が制球力の高さを武器とする中元の投球を後押しする。この日の中元は四死球0。「安心して後ろに任せています」とストライク先行で打たせて取る投球を引き出した。
また、攻撃ではバントヒットが3本と小技でチャンスの拡大に成功している。「今年のチームはそれ(バント)ができる。自分たちの役割があり、それをやったことでこっちに流れが来たので、やっぱりこういう野球をしていかないといけないと思いますね」と川口監督。攻守で基本に忠実な野球を展開して、近畿大会の切符を掴んだ。
「京都大会は通過点。近畿大会に行ってからが本番だと思います」と気を引き締めた西岡。昨秋の近畿大会は優勝した東洋大姫路に0対9の大敗を喫している。全国最多となる42度の出場を誇る名門の名にかけて、昨年と同じ結果で終わるわけにはいかない。