第78回秋季栃木県高校野球大会(県高野連主催)最終日は5日、宇都宮清原球場で決勝があり、佐野日大が延長10回タイブレー…
第78回秋季栃木県高校野球大会(県高野連主催)最終日は5日、宇都宮清原球場で決勝があり、佐野日大が延長10回タイブレークの末、文星芸大付に4―3でサヨナラ勝ちして2年連続8度目の優勝を果たした。決勝進出の両校は18日から山梨県である関東大会に栃木県代表として出場する。大会は来春の選抜大会で出場校を選考する判断材料となる。
佐野日大が競り勝てた理由は、選手層の厚さだろう。麦倉洋一監督は「おまえたちは(前チームに比べて)弱いけれど、束になれば強い相手にかかっていけると、ずっと言ってきた」と淡々と語った。
すでに関東大会出場権を得ていたが、県1位になれば大会の組み合わせに恵まれ、春の甲子園を目指すうえで有利になる。文星芸大付は必勝を期して、前日に125球で完投したエースを先発させた。
しかし、佐野日大の先発マウンドに立ったのは、1年生左腕の沖崎翼だった。麦倉監督は「沖崎で勝負できると思った」とひと言で起用の理由を説明した。
佐野日大はこれまでも投手陣が充実したチームをつくってきた。今回のベンチ入りメンバーでも投げられる選手が7人程度いるという。
前チームには県内屈指の左腕・洲永俊輔(3年)がいた。現チームの背番号1・鈴木有(2年)は「洲永さんの背中を見て(練習のやり方などを)学んできた」と語る。
そして今は、鈴木を見て沖崎らが成長している。沖崎は「後ろに鈴木さんがいたので思い切っていった」。持ち味の強気の投球で5回を1失点に抑えた。
打線も同様だ。4長短打の小林優太(2年)は「昨年の大会も先輩たちが決勝を経験させてくれたので(大舞台に)慣れていた」。代打陣も豊富。勝負どころで次々に特色ある打者を送り込んだ。最後は延長十回2死満塁で「速球に強い」と起用された小和田和輝(2年)が適時打を放って決着をつけた。3回戦以降、出番がなかったが、ずっと気持ちを切らさずに「準備をしてきた」ことが、快打につながった。
前チームは秋春の県大会を制したが、2014年選抜大会以来の甲子園出場はならなかった。選手たちは「ここがゴールではない」と口をそろえる。春の甲子園切符をつかむまで、気を緩めるつもりはない。(津布楽洋一)
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延長タイブレークの十回裏。無死満塁のピンチを背負った文星芸大付の2番手・長谷川飛乃(ひの)(2年)は2死までこぎつけたが、最後はサヨナラの中越え安打を浴びた。喜びを爆発させる相手ベンチに横目に、肩を落とした。
この日は、前日の準決勝で完投した津久井雷仁(らいと)(2年)が先発し、九回途中まで投げた。捕手の鈴木雄太(2年)は「疲れがないわけではないと思うけど、球威もあったし、昨日(準決勝)より(投球レベルが)一段階上がっていた」と話す。
初回に長打を浴びて先制を許したが、その後は得点圏に走者を背負っても落ち着いて切り抜けた。あとは打線が八回に奪った2点のリードを守るだけだった。
だが、九回に連打と暴投で同点に追いつかれ、長谷川に後を託した。鈴木は「小差で勝ちきる力がまだまだ。甘さをなくさないと上では戦えない」と悔やんだ。
高根沢力監督も「勝ち急いでしまった。チームとしてもまだ若い」。だが、その言葉には新チームへの期待の大きさがにじんでいた。
この日の負けも、強くなるための貴重な経験。見据える先はあくまで選抜大会出場と、そこでの勝利だ。(高橋淳)
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県高野連は5日、今大会の優秀選手15人を発表した。優勝した佐野日大からは、4人が選ばれた。首位打者は文星芸大付の弓野頼大(2年)で、打率は6割5分だった。そのほかの優秀選手は次の通り。(津布楽洋一)
鈴木有、須田凌央、高橋丞、小林優太(佐野日大)、津久井雷仁、蛭田詩音(文星芸大付)、三角晃平、福田健人(幸福の科学学園)、池谷挑夢、飯原寛大(国学院栃木)、篠崎蓮太(栃木工)、田島駿(宇都宮工)、石川貴士(石橋)、佐波瀬大翔(作新学院)