第78回徳島県高校野球秋季大会(県高校野球連盟主催)の決勝と3位決定戦が徳島市のむつみスタジアムであった。決勝は阿南光…

 第78回徳島県高校野球秋季大会(県高校野球連盟主催)の決勝と3位決定戦が徳島市のむつみスタジアムであった。決勝は阿南光が5―3で徳島商を破り、前身の新野以来34年ぶり2度目の優勝を果たした。3位決定戦は海部が5―3で鳴門渦潮に勝った。上位3校は18日から愛媛県で開催される四国地区大会に出場する。

 決勝で阿南光は堅実な守りが光った。秋の大会5試合で失策はこの日最終回に外野手が記録した1個だけ。内野陣は失策ゼロで軽快にゴロをさばき投手をもり立てて、リズムを作った。

 主将の佐藤柊平二塁手は「日頃の練習でも半分以上の時間を守備に費やす」という。全体練習後も個人でノックを受ける自主的な練習を繰り返して動きを身につけているという。追い上げた徳島商が七回に失策で5点目を失ったのとは対照的だった。

 四国地区大会に向けて佐藤主将は「徳島でやってきた、守備を中心とした守りの野球をしたい」と語った。

 3位決定戦は、前半に4点を奪った海部が、鳴門渦潮の反撃を振り切った。海南、日和佐、宍喰商の3校が統合して2004年に海部高校となったが、四国地区大会に出場するのは前身の日和佐以来48年ぶり。

 準決勝で阿南光に敗れたが、その夜のミーティングで、社会人野球の指導経験もある杉本泰彦監督が「敗者復活戦だ。少しミスはあったが、他は問題がなかった、早く切り替えなさい」と励ましたという。

 この日は一回表、2番打者藤本樹主将からの4連打で2点を奪い主導権を握った。藤本主将は「開き直って臨んだ。初回から一気に行けたと思う」と話していた。七回に1点差に迫られたが、「失策をせず流れを渡さないという気持ちだった」。八回に5点目を挙げて逃げ切った。(鈴木史)