落合2軍監督の手腕が光った(C)産経新聞社 勢いそのままに頂点に駆け上がった。 プロ野球のファーム日本選手権が10月4日…

落合2軍監督の手腕が光った(C)産経新聞社
勢いそのままに頂点に駆け上がった。
プロ野球のファーム日本選手権が10月4日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で行われ、中日が14年ぶりの日本一に。巨人を16-3の大勝で下し、ウエスタン・リーグを大逆転で制した力を見せつけた。
【動画】最後は9回に登板した根尾が浅野を一ゴロに打ち取り、優勝を飾った
試合は序盤から中日ペースだった。
2回に相手失策をきっかけに宇佐見真吾、村松開人の連続適時打などで3点を先制。4点リードの6回には、3本の適時打で一挙5点のビックイニング。続く7回に駿太の2ラン、最終9回は本日2度目の1イニング5得点を記録と、終わってみれば16安打16得点の猛攻だった。
投げては先発・仲地礼亜が6回途中無失点、6奪三振の好投。三浦瑞樹、松木平優太と先発要員をつぎ込み、無失点リレーを続ける。9回に森山暁生が3失点を喫するも、最後は根尾昂が浅野翔吾を一塁ゴロに抑え、ゲームセット。歓喜の輪が出来上がった。
MVPは好投の仲地が受賞。優秀選手賞は4打点の尾田剛樹と、4安打3打点の土田龍空が輝いた。
試合後の優勝インタビューで、落合英二2軍監督は次のことを話していた。
「8月までは本当に育成を考えてやっていました。8月の時点でいい位置にいたので、勝ちながら育成する方向に転換して、選手たちがワンプレーを大事にしながら育成も上手くできたと思います」
落合2軍監督が球団と連携をとりながら育成システムの構築に乗り出したのは、熱心なファンならご存知だろう。育成に主眼を置きながら、ある閾値を超えた選手は積極的に実戦に出していくことで、多くの若手が経験を積んだ。今回は打たれたが投手では森山、野手では1軍デビューを果たした森駿太は代表例に挙げられる。
一方で、中堅・ベテランの力も上手く使って優勝したのも事実だ。この日のスタメン野手には宇佐見や駿太、川越誠司、チェイビスが入っていた。彼らの存在が良い意味で重石になりながら、シーズン終盤から勝ちを拾っていった。
今後は1軍に人材供給をどんどんしていきつつ、ファームの底上げも行なっていかなければならない。育成システムの構築・確立に向けて、今回の日本一が説得力を持つ場面も出てくるはず。そういう意味でも頂上決戦で勝つことは重要だった。
ドラゴンズの未来は明るい――。来季から3地区制に再編される前にファーム日本一を勝ち取ったことで、ひとつ確信を得られた。
[文:尾張はじめ]
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